アシカのなかま
アシカのなかまには、カリフォルニアアシカやオーストラリアアシカ、ニュージーランドアシカなど、さまざまな種類がいます。
アシカは、海で泳ぐだけでなく、陸上でも4本のひれを使って歩くことができる海の哺乳類です。大きな前足のような「前ひれ」を使って水中を力強く進み、陸上では後ろのひれを体の下へ折り曲げて、体を持ち上げながら移動します。
アザラシとよく似ていますが、アシカには小さな耳たぶが外から見えるという違いがあります。また、水中では主に大きな前ひれを動かして泳ぎます。
このページでは、日本の動物園や水族館でも見ることができるカリフォルニアアシカについて紹介します。
カリフォルニアアシカ
食肉目 アシカ科 アシカ属
学名 Zalophus californianus
英名 California sea lion
- 体長 オス約230cm メス約180cm
- 体重 オス約320kg メス約110kg
- 分布 北アメリカ西岸の太平洋
- 生息地 沿岸の海、岩場、砂浜、島
- 食べ物 魚、イカ、タコなど
- 寿命 約20~30年
カリフォルニアアシカは、カリフォルニア沿岸を中心に、メキシコからカナダ南部まで分布しています。IUCNレッドリストでは「低懸念(LC)」に分類されています。
カリフォルニアアシカの分布

カリフォルニアアシカは、北アメリカ西岸の太平洋に分布しています。南はメキシコから、北はカナダ南部まで見られ、カリフォルニア湾にも生息しています。
海岸近くの海でエサを探し、陸上では岩場や砂浜、島などで休みます。繁殖期には島や海岸に大きな集団が集まります。
【生息地】沿岸の海、岩場、砂浜、島
カリフォルニアアシカの特徴
体の大きさ
カリフォルニアアシカはオスとメスで体の大きさが大きく違います。
オスは体長約230cm、体重約320kgになるのに対し、メスは体長約180cm、体重約110kgほどです。
オスはメスより体が大きく、首や胸の筋肉も発達しています。成熟したオスでは頭のてっぺんに骨の隆起が発達し、成長するとさらにたくましい姿になります。
小さな耳が見えている

アシカの顔を見ると、目の後ろに小さな耳たぶがあることが分かります。
これはアシカ科の大きな特徴です。アザラシのなかまにも耳そのものはありますが、外側から見える耳たぶはありません。
この違いを見ると、アシカとアザラシを見分けやすくなります。
ひれを使って歩ける!
アシカが陸上で歩ける秘密は、後ろのひれにあります。
アシカは後ろのひれを前へ回すことができるため、前ひれと後ろのひれを使って体を持ち上げながら歩けます。
一方、アザラシは後ろのひれを体の下へ回せないため、陸上ではお腹を使って移動します。
水中では前ひれが大活躍

海の中では、大きな前ひれを左右に動かして泳ぎます。
魚のように尾を左右へ振るのではなく、前ひれを羽ばたかせるように動かして進むのが特徴です。後ろのひれは方向を変えるときなどに使います。
ヒゲは小さな変化を感じ取る

アシカの口の周りには、長いヒゲが生えています。
このヒゲは「感覚毛」と呼ばれ、水の中で獲物が動いたときに生じる振動などを感じ取るのに役立つと考えられています。
暗い海の中でも、ヒゲから得られる情報を利用して獲物を探すことができます。
アシカの生態
何を食べるの?

カリフォルニアアシカは肉食動物で、魚やイカ、タコなどを食べます。
主な獲物には、アンチョビ、イワシ、サバ、メバルのなかま、イカなどがあります。食べる種類は季節や海の環境によって変わり、エルニーニョの年には海水温や獲物の分布が変化するため、食生活にも影響が出ます。
大きな声で仲間と伝え合う
アシカは「アウッ、アウッ」と響くような大きな声を出します。
この声は仲間とのコミュニケーションだけでなく、オスが繁殖場所を守るときにも使われます。母親と子どもは、それぞれの声を手がかりにしてお互いを見つけます。
海と陸を行き来するくらし
カリフォルニアアシカは、海だけで生活しているわけではありません。
海でエサを探したあと、陸上の砂浜や岩場、島などへ戻って休みます。海では単独や少数でエサを探すことがありますが、陸上では多くの仲間が集まって休む姿も見られます。
赤ちゃんが生まれる

メスは1頭の赤ちゃんを産みます。妊娠期間は約11か月です。
生まれた赤ちゃんは体重約7kgで、最初は黒っぽい毛に覆われています。生後4~5か月ほどで毛が生え変わり、明るい色へ変化していきます。
母親は赤ちゃんに授乳したあと、海へエサを探しに出かけます。数日間海で食事をしてから陸へ戻って授乳する生活を繰り返し、子どもはほぼ1年かけて成長していきます。
オスは縄張りを守る
繁殖期になると、オスは海岸や島に縄張りをつくります。
一つの縄張りには複数のメスが入ることがあり、オスは声を出したり、体を大きく見せたりして縄張りを守ります。カリフォルニアアシカは一夫多妻的な繁殖を行う動物です。
カリフォルニアアシカの天敵
カリフォルニアアシカは、シャチや大型のサメなどに襲われることがあります。
特に子どもは体が小さく、海へ出るようになると捕食者に狙われる危険が高くなります。そのため、母親のそばで成長しながら、少しずつ海での生活を身につけていきます。
カリフォルニアアシカを守るために
カリフォルニアアシカは現在、個体数が大きく減少している種ではありませんが、人間の活動による問題は残っています。
特に大きな問題の一つが、漁具への絡まりです。網や漁具が体に絡まると、泳いだりエサを食べたりすることが難しくなり、重いけがや死亡につながることがあります。
また、有害藻類がつくる毒素や病気、人間によるけがなども脅威となっています。海洋ごみを減らし、漁業と野生動物が共存できる環境をつくることが大切です。
まとめ
カリフォルニアアシカは、海では大きな前ひれを使って泳ぎ、陸上では後ろのひれを使って歩くことができる、海と陸の両方を利用する動物です。
小さな耳たぶや長いヒゲ、仲間と伝え合う大きな声など、アザラシとは違った特徴もたくさんあります。また、母親は海と陸を行き来しながら赤ちゃんを育て、子どもは母親から海で生きるための力を身につけていきます。
海で暮らすカリフォルニアアシカを守るためには、漁具への絡まりや海洋環境の変化など、人間の活動による影響を減らしていくことが大切です。