【アミメキリン|動物図鑑】特徴と生態

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キリンのなかま

キリンのなかまには、首と足が長いキリンと、首や足が短いオカピの2種類がいます。

オカピは見た目がキリンとは大きく異なりますが、同じキリン科に属する近縁種です。長い進化の歴史の中で姿が大きく変化しなかったことから、「生きた化石」と呼ばれることもあります。

以前はキリンは1種類と考えられていましたが、DNAを使った研究が進み、現在では4種類に分類する考え方が有力になっています。

  • ミナミキリン・・・南アフリカ、ナミビア、ボツワナ
  • マサイキリン・・・タンザニア、ケニア、ザンビア
  • アミメキリン・・・ケニア、ソマリア、エチオピア南部
  • キタキリン・・・・アフリカ中部・東部
ここでは、美しい網目模様が特徴のアミメキリンを紹介します。

アミメキリン

 6月21日は『世界キリンの日』

クジラ偶蹄目 キリン科 キリン属
  絶滅危惧種
  学名   Giraffa camelopardalis reticulata
  英名   Reticulated Giraffe

  • 体長  380~480cm
  • 体重  500~1,900kg
  • 分布  東アフリカ(エチオピア南部・ケニア北部・ソマリア南西部)
  • 生息地 サバンナ、草原、開けた森林
  • 食べ物 アカシアの葉・若葉・小枝・花・果実
  • 寿命  25年

網目模様が美しいキリン

アミメキリンは、東アフリカに生息するキリンの一種です。体に広がる白い線と赤褐色の模様が網の目のように見えることから、「アミメキリン」と呼ばれています。英語では「Reticulated Giraffe(網目模様のキリン)」という意味の名前が付けられています。

日本の動物園で最も多く飼育されているキリンでもあり、全国で約160頭が飼育されています。その美しい模様から人気が高く、「ソマリアキリン」という名前で紹介されることもあります。

しかし、野生では生息地の減少や密猟などによって個体数が減少しており、現在は絶滅が心配されている動物です。

アミメキリンの分布

アミメキリンは、東アフリカのエチオピア南部、ケニア北部、ソマリア南西部に分布しています。

乾燥したサバンナや草原、木がまばらに生える開けた森林などで暮らしています。特にアカシアが多く生える地域を好み、長い首を生かして高い場所の葉を食べています。

【生息地】サバンナ・草原・開けた森林

アミメキリンの特徴

体の大きさ

アミメキリンは、地上で最も背の高い動物です。

オスは頭の先まで約5.5~5.8m、メスでも約5m近くになることがあります。長い首と足を持つため遠くまで見渡すことができ、外敵をいち早く見つけることができます。

歩くときは、同じ側の前足と後ろ足を同時に動かす「側対歩(そくたいほ)」という歩き方をします。この歩き方はラクダの仲間にも見られる特徴です。

世界一美しい網目模様

アミメキリン最大の特徴は、体全体をおおう美しい網目模様です。

赤褐色の大きな模様を細い白い線が囲んでおり、まるで網の目のように見えます。この模様はキリンの4種類の中でも最も整った形をしています。

草原や木陰では周囲の景色に溶け込み、ライオンやヒョウなどの天敵から身を守る保護色として役立っています。また、一頭ごとに模様が異なるため、人間の指紋のように個体を見分ける目印として研究や保護活動にも利用されています。

頭にある不思議な角

アミメキリンの頭には、角のような突起があります。

これは「オシコーン」と呼ばれ、骨のまわりを皮ふと毛がおおったキリンだけが持つ特徴です。オスもメスも持っていますが、オスは年齢とともに太くなり、おでこにもコブ状の骨が発達することがあります。

オス同士は首をぶつけ合う「ネッキング」で力比べをしますが、オシコーンも衝撃を受け止め、頭を守る役割があると考えられています。

赤ちゃんの角はやわらかい

生まれたばかりの赤ちゃんのオシコーンは、まだ骨と頭がつながっておらず、とてもやわらかい状態です。

これは、お母さんのおなかの中や出産のときに傷つかないようにするためと考えられています。

生後数か月がたつと少しずつ立ち上がり、成長するにつれてしっかりしたオシコーンへと変化していきます。

40cmもある長い舌

アミメキリンの舌は約40cmもあり、青紫色をしています。

長い舌を器用に枝へ巻き付け、アカシアなどの葉を口へ運びます。とげのある枝でも、舌やくちびるを上手に使うことで傷つくことなく葉だけを食べることができます。

舌が青紫色をしているのは、メラニン色素が多く含まれているためです。長時間、強い日差しの下で葉を食べても日焼けしにくいと考えられています。

後ろまで見える目

アミメキリンの目は顔の横についています。

広い範囲を見渡すことができるため、横を向かなくても後ろの様子まで確認できます。遠くから近づくライオンやヒョウなどの天敵を早く見つけられることは、草食動物にとって大きなメリットです。

一方、ライオンなどの肉食動物は目が顔の前についています。両目で同じ獲物を見ることで距離を正確に測り、狩りを成功させやすくしています。

長いまつげ

アミメキリンは、とても長いまつげを持っています。

長いまつげは、砂ぼこりや小枝、とげのある植物から大きな目を守る役割があります。また、強い日差しをやわらげる働きもあります。

枝に近づいたときは、まつげが触れることで反射的に目を閉じるため、目を傷つけにくくなっています。

ハエを追い払う長いしっぽ

しっぽの長さは約75~100cmあります。

先端には黒い房毛があり、ハエやアブなどの虫を追い払ったり、お尻の汚れを落としたりするときに使います。

サバンナには吸血する昆虫が多く生息しているため、長いしっぽは快適に暮らすために欠かせない道具です。

高血圧でも平気な体

アミメキリンは、地上で最も高い場所に脳がある動物です。

そのため、心臓は強い力で血液を送り出し、血圧は人の約2倍にもなります。しかし、首の血管には血液の逆流を防ぐ弁があり、頭の後ろには「ワンダーネット」と呼ばれる細かい血管の集まりがあります。

これらの働きによって、頭を大きく下げて水を飲んだり、再び頭を上げたりしても、脳に負担がかからないようになっています。

どうして首は長くなったの?

アミメキリンの首は約2mもありますが、なぜここまで長くなったのかは、現在もはっきりとは分かっていません。

最も有力なのは、高い木の葉を食べるためという説です。ほかの草食動物が届かない場所の葉を利用できるため、食べ物をめぐる競争を避けることができます。

また、オス同士が首をぶつけ合う「ネッキング」で有利になるため、首の長いオスほど子孫を残しやすかったという説もあります。現在も研究が続けられており、進化の理由についてはさまざまな説が議論されています。

アミメキリンの生態

何を食べるの?

アミメキリンは草食動物です。

アカシアの葉や若葉、小枝を特に好みますが、花や果実、草を食べることもあります。長い舌を器用に使って高い場所の葉を巻き取るように食べるため、ほかの草食動物と食べ物が競合しにくいという特徴があります。

また、嗅覚にも優れており、栄養の豊富な葉や新芽をにおいで探していると考えられています。

4つの胃で葉を消化する

アミメキリンは、ウシやヒツジと同じ反すう動物です。

4つの胃を使って植物を消化し、一度飲み込んだ葉を口へ戻してもう一度かみ直します。これを反すうといい、栄養の少ない葉からでも効率よく栄養を吸収することができます。

体が大きいため、一日の15~18時間ほどを食事に費やします。オスは高い場所の葉を、メスは少し低い場所の葉を食べることが多く、同じ木でも自然に食べる高さを分けています。

自由な群れで暮らす

アミメキリンは、数頭から20頭ほどの群れで生活しています。

ライオンのように決まったリーダーはおらず、食べ物や水場の状況に応じて自由に集まったり離れたりする「離合集散型」の群れを作ります。

メスと子どもが一緒に行動することが多く、成長したオスは単独で生活したり、若いオス同士で群れを作ったりすることもあります。

首をぶつけて戦う

繁殖期になると、オス同士は「ネッキング」と呼ばれる力比べを行います。

長い首を大きく振り回し、頭や首を相手の体へたたきつけます。首が太く筋肉の発達したオスほど強力な一撃を与えることができ、勝ったオスが繁殖する機会を得ます。

激しい戦いでは大きな音が響き渡りますが、多くの場合は力の差が分かると、一方が立ち去って勝負が決まります。

意外と足が速い

アミメキリンはゆっくり歩く印象がありますが、全力で走ると時速55kmほどにもなります。

長い足を大きく伸ばして走る姿は迫力があり、ライオンに追われたときには力強いキックで反撃することもあります。

特に前足の蹴りは非常に強力で、ライオンでも大けがをすることがあるため、成獣を襲うには大きな危険が伴います。

赤ちゃんが生まれる

繁殖期は特に決まっておらず、一年を通して繁殖します。妊娠期間は約15か月で、通常は1頭の赤ちゃんを出産します。

お母さんは立ったまま出産するため、赤ちゃんは約2mの高さから地面へ落ちます。しかし、この衝撃によって呼吸が始まり、生まれてから約30〜60分で立ち上がり、お乳を飲み始めます。

草食動物であるキリンは、ライオンなどの天敵に狙われやすいため、生まれてすぐ歩けるようになることが、生き残るために欠かせません。

アミメキリンの天敵

子どものアミメキリンの主な天敵は、ライオン、ヒョウ、ハイエナ、リカオンなどです。

成獣は体が大きく、強力なキックを持っているため、襲われることは少なくなります。しかし、病気やけがで弱った個体や油断した個体は、ライオンに狙われることがあります。

現在、アミメキリンにとって最も大きな脅威は人間です。生息地の減少や密猟などによって、野生の個体数は減少し続けています。

アミメキリンを守るために

アミメキリンは、かつて東アフリカの広い地域に生息していました。しかし、農地の拡大や道路の建設による生息地の減少、密猟などの影響によって野生の個体数は減少しています。

現在は国立公園や保護区で保護活動が行われているほか、一頭一頭で異なる網目模様を利用して個体を識別し、野生での行動や個体数を調べる研究も進められています。

これからもアフリカの豊かな自然を守り、アミメキリンが安心して暮らせる環境を未来へ残していくことが大切です。

まとめ

アミメキリンは、世界で最も背の高い動物であり、美しい網目模様を持つキリンです。長い首や40cmもある舌、高い場所の葉を食べるための体のつくりなど、サバンナで生き抜くための優れた特徴を数多く備えています。

また、オス同士が首をぶつけ合う「ネッキング」や、一頭ごとに異なる網目模様なども、アミメキリンならではの魅力です。

動物園で見かけたら、美しい模様や長い首だけでなく、オシコーンや青紫色の舌、力強い歩き方にもぜひ注目してみてください。きっと新しい発見があるでしょう。

 

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