ラクダ
砂漠を歩く動物といえば、まずラクダを思い浮かべる人も多いでしょう。背中の大きなコブ、長い首、細長い脚など、ラクダには一目で分かる特徴がたくさんあります。
でも、ラクダのすごさは見た目だけではありません。雨が少なく、植物や水が少ない場所でも暮らせるように、体のあちこちに工夫が隠されています。
では、ラクダはどうして砂漠で生きていけるのでしょうか。大きなコブには何が入っているのか、水を飲まないときはどうしているのか、ラクダの暮らしを見ていきましょう。
ラクダの基本情報
クジラ偶蹄目(偶蹄目) ラクダ科 ラクダ属
学名 Camelus dromedarius
英名 Dromedary
- 体長 220~340cm
- 体重 450~700kgほど
- 分布 北アフリカ、西アジアなど
- 生息地 砂漠・半砂漠・乾燥した草原など
- 食べ物 草、木の葉、枝など
- 寿命 20~30年ほど
※この記事では、背中のコブが1つあるヒトコブラクダを紹介しています。
ラクダの分布
ヒトコブラクダは、北アフリカや西アジアなどの乾燥した地域で、人間に飼育されてきました。砂漠で荷物を運んだり、人を乗せたりする動物として、長い歴史があります。
現在、野生のヒトコブラクダは絶滅したと考えられています。一方、家畜として飼われていたラクダが逃げたり放されたりして、オーストラリアなどで野生化した個体も暮らしています。
【生息地】砂漠・半砂漠・乾燥した草原など
ラクダの特徴
体の大きさ
ヒトコブラクダの体長は220~340cm、体重は450~700kgほどです。体高は180~200cmほどになり、長い首と脚を持った大きな体をしています。
体を高い位置に保てるため、地面から伝わってくる熱を受けにくくなります。長い首を伸ばせば、地面に生えた草だけでなく、少し高い場所にある葉にも口を届かせることができます。
背中に大きなコブがある
ラクダと聞いて、多くの人が思い浮かべるのが背中のコブです。ヒトコブラクダには、その名前の通り大きなコブが1つあります。
コブの中に入っているのは水ではなく、脂肪です。食べ物が少ないときには、この脂肪をエネルギーとして利用できます。コブは、食料が不足しやすい乾燥した土地で暮らすための大切な蓄えなのです。
砂に沈みにくい足
ラクダの足は、砂の上を歩きやすい形をしています。足の裏は広く、柔らかな部分があるため、体重を分散させながら砂地を進むことができます。
砂漠では、一歩進むたびに足が深く沈んでしまうと、歩くだけでも大きな力が必要になります。ラクダの大きな足は、そんな砂の上を移動するのにぴったりなのです。
砂を防ぐ目と鼻
砂漠では、強い風とともに細かな砂が飛んでくることがあります。ラクダはそんな環境でも活動できるように、長いまつ毛で目を守り、鼻の穴を閉じることができます。
鼻は砂を防ぐだけではありません。鼻の中で水分を逃がしにくくするしくみもあり、乾燥した環境で体の水分を保つことに役立っています。
暑さに負けにくい体
ラクダは暑さに強い動物として知られています。体温をある程度変化させることで、暑い時間にも体から水分を失いにくくしています。
また、長い脚で体を地面から離し、背中のコブや体の毛も暑さから身を守るのに役立っています。砂漠の厳しい暑さを乗り切るため、体全体にさまざまな工夫があるのです。
ラクダの生態
草や木の葉を食べる
ラクダは草食動物で、草を中心に木の葉や枝なども食べます。乾燥した地域では、いつでも柔らかな草がたくさん生えているとは限りません。
そのため、食べられる植物を幅広く利用します。砂漠のような植物の少ない場所でも、そのとき手に入る食べ物を利用しながら暮らしています。
一度にたくさんの水を飲む
ラクダは水を飲める場所にたどり着くと、一度に大量の水を飲むことができます。水場が少ない砂漠では、これはとても役立つ能力です。
ただし、「ラクダは水なしでずっと平気」というわけではありません。暑さや食べ物の量、活動する時間などによって必要な水分量は変わります。水を飲めるときにしっかり補給することが大切です。
群れで行動する
ラクダは仲間と一緒に行動することがあります。特にメスと子どもがまとまって過ごすことがあり、成長したオスが単独で行動する場合もあります。
いつも同じ仲間だけで暮らしているわけではなく、状況によって集まり方が変わります。広い乾燥地を移動しながら、植物や水のある場所を利用して生活しています。
砂漠を長く歩く
ラクダは乾燥した土地を長い距離移動できます。砂漠では水場や食べ物が見つかる場所が離れていることもあるため、長く歩けることは大きな強みです。
この能力は、ラクダと人間との長い関わりにもつながりました。昔から砂漠を移動するときの乗り物や荷物を運ぶ動物として利用され、現在でも乾燥した地域で活躍しています。
赤ちゃんが生まれる
ヒトコブラクダの妊娠期間は約12~15か月で、通常は1頭の赤ちゃんを産みます。生まれた赤ちゃんは母親のそばで過ごし、乳を飲みながら少しずつ成長していきます。
母親は子どもの成長を見守りながら、群れの中で一緒に行動します。子どもは大きくなるにつれて、草を食べたり、長い距離を歩いたりできるようになります。
子どもが育つ
ラクダの赤ちゃんは、成長するにつれて母親と一緒に行動する時間が増えていきます。最初は乳を飲んで育ちますが、少しずつ植物を食べるようになります。
長い脚で歩く力がつき、広い場所を移動できるようになると、大人と同じような生活に近づいていきます。砂漠で生きるための体と力を、時間をかけて身につけていくのです。
天敵
成長したヒトコブラクダは大きな体を持つため、現在のラクダについては野生動物のように特定の天敵を挙げることは簡単ではありません。特に家畜として暮らす個体は、人間に守られていることもあります。
一方、ラクダの子どもは大人より体が小さく、自分で身を守る力も十分ではありません。母親のそばで過ごしながら成長し、少しずつ大きな体と力を身につけていきます。
ラクダを守るために
ヒトコブラクダは長い歴史の中で家畜として飼われ、人間の暮らしを支えてきました。一方、野生のヒトコブラクダは絶滅したとされ、現在は家畜や、そこから野生化した個体が知られています。
ラクダが暮らしてきた砂漠や乾燥地には、ラクダ以外にもさまざまな動物や植物が生息しています。ラクダを知ることは、厳しい環境の中で生きる生き物たちや、そこで暮らす人々との関わりを知ることにもつながります。
まとめ
ラクダは、砂漠や乾燥した地域で暮らすためのさまざまな工夫を持った動物です。背中のコブには脂肪を蓄え、広い足で砂の上を歩き、長いまつ毛や閉じられる鼻で砂から身を守ります。
水が少ない場所でも、食べ物や水を見つけながら長い距離を移動できます。そして、その優れた能力は、昔から人間の移動や荷物運びにも利用されてきました。
大きなコブだけに目が行きがちなラクダですが、その体をよく見ると、砂漠で生きるための工夫が頭から足まで詰まっていることが分かります。