コウモリのなかま
コウモリ目
学名 Chiroptera
英名 Bat
- 体長 約3~40cm(種類による)
- 翼開長 約15cm~1.7m(種類による)
- 体重 約2g~1.5kg(種類による)
- 分布 南極を除く世界中
- 生息地 森林、洞窟、草原、市街地、砂漠、山地など
- 食べ物 昆虫、果実、花の蜜、花粉、小魚、カエルなど(種類による)
コウモリは、世界に約1,400種類いる哺乳類です。哺乳類の中で、翼を使って自由に空を飛べるのはコウモリだけです。
前足が長く進化した翼を使って空を飛び、小型コウモリは超音波を使いながら暗闇でも昆虫を見つけることができます。一方、オオコウモリは大きな目を使って周囲を見ながら飛び、果実や花の蜜などを食べています。
夜になると身近な公園や街中でも見られるコウモリですが、その体には空を飛ぶためのさまざまな工夫が隠されています。
コウモリにはどんななかまがいるの?

オオコウモリのなかま
オオコウモリは、熱帯や亜熱帯地方にくらす大型のコウモリです。
大きな目を持ち、視力を使って夕方から夜に飛び回ります。超音波を使わない種類が多く、果実や花の蜜、花粉などを食べています。
日本では小笠原諸島や南西諸島に生息する種類が知られています。
小型コウモリのなかま
小型コウモリは世界中に広く分布し、日本で見られるコウモリのほとんどがこの仲間です。
夜になると口や鼻から超音波を出し、その反射音を利用して飛びながら昆虫を捕まえます。この能力をエコーロケーション(反響定位)といいます。
昆虫のほか、小魚やカエルなどを食べる種類もいます。
コウモリの分布
コウモリは南極をのぞく世界中に分布しています。
【生息地】森林・洞窟・草原・市街地・山地など
熱帯雨林から砂漠、高い山、街中まで、さまざまな環境で生活しています。日本にも約35〜40種類(分類によって異なる)が生息しており、森林だけでなく、洞窟や橋の下、建物の屋根裏などをねぐらにする種類もいます。
種類によって食べ物やくらし方は異なりますが、世界中のさまざまな環境に適応していることが、コウモリがこれほど多くの種類に進化した理由の一つです。
コウモリの特徴
体の大きさ
コウモリは種類によって大きさが大きく異なります。
世界最大級のオオコウモリは翼を広げると約1.5~1.7mにもなります。一方、日本でよく見られる小型コウモリは体長4~7cmほどしかなく、体重も5~20gほどです。
同じコウモリでも、大きさは数十倍以上違います。
空を飛べる翼

コウモリは、自由に飛べる唯一の哺乳類です。
羽ばたきながら急に曲がったり、空中で向きを変えたりできるため、夜の暗い空でもすばやく飛び回れます。
昆虫を追いかけたり、木の枝の間をすり抜けたりするなど、高い飛行能力を持っています
鳥とは翼の仕組みが違う
鳥の翼は羽毛でできていますが、コウモリの翼は薄い皮膚の膜でできています。
この膜は長く伸びた指と体をつないでおり、人の手によく似た骨格になっています。
そのため、鳥とはまったく異なる翼のつくりをしています。
翼の形で飛び方が変わる
コウモリの翼は、くらす環境や食べ物に合わせてさまざまな形に進化してきました。
細長い翼は速く飛くことが得意で、開けた場所に向いています。
幅の広い翼はゆっくり飛びながら小回りが利くため、障害物の多い場所でも飛びやすくなっています。
このように、翼の形は生活する環境に合わせて少しずつ変化してきました。
超音波でまわりを見る

小型コウモリの多くは、口や鼻から超音波を出しています。超音波は人間には聞こえない高い音です。
音が昆虫や木、壁などに当たって跳ね返ってくるまでの時間や方向を耳で聞き取り、相手までの距離や大きさを知ることができます。
この仕組みをエコーロケーション(反響定位)といいます。
暗闇でもぶつからない
夜のコウモリは、目だけに頼って飛んでいるわけではありません。
飛びながら何十回も超音波を出し続け、周囲の情報を瞬時に集めています。そのため、暗い森の中でも木の枝や壁を避け、小さな昆虫まで正確に見つけることができます。
イルカも同じようにエコーロケーションを利用する動物です。
いつも逆さまにぶら下がる

コウモリは後ろ足の筋肉が弱く、地面を歩くのは得意ではありません。
そのかわり、後ろ足には強い腱があり、力を入れなくても長時間ぶら下がることができます。高い場所から落下しながら飛び立つことで、すぐに空へ飛び出せます。
また、天敵から身を守るためにも、洞窟や木の枝に逆さまにぶら下がる生活はとても役立っています。
コウモリの生態
何を食べるの?
コウモリの食べ物は種類によって違います。
オオコウモリは果実や花の蜜、花粉を食べます。小型コウモリは昆虫を主食とし、種類によっては魚やカエル、小さな動物を食べるものもいます。
熱帯には血液をなめるチスイコウモリもいますが、ごく限られた種類だけです。
夜に活動する
コウモリの多くは夜行性です。
昼間は洞窟や木の穴、橋の下、建物の屋根裏などで休み、日が暮れるとエサを探しに飛び立ちます。
夜に活動することで、天敵を避けたり、昆虫を効率よく捕まえたりしています。
赤ちゃんが生まれる
コウモリは哺乳類なので、卵ではなく赤ちゃんを産みます。多くの種類では1回の出産で1頭だけを産み、母親は母乳で育てます。
赤ちゃんは飛べるようになるまで母親にしっかり守られながら成長し、その後、自分で飛ぶ練習を始めます。
コウモリを守るために
コウモリは森林伐採や洞窟の開発、農薬による昆虫の減少などによって、生息数が少なくなっている種類が増えています。
特にオオコウモリは、生息地の減少や乱獲によって絶滅の危機にある種類も少なくありません。
コウモリは昆虫を食べて害虫を減らしたり、果実を食べて種を運んだりするなど、自然環境を支える大切な役割を持っています。
これからもコウモリが安心して暮らせるように、森や自然環境を守っていくことが大切です。
まとめ
コウモリは、哺乳類で唯一、自分の翼で空を飛べる特別な動物です。長い指でできた飛膜や、超音波を使ったエコーロケーション、逆さまにぶら下がる生活など、ほかの動物にはない特徴をたくさん持っています。
一見すると不思議な動物ですが、その体の仕組みはすべて夜の世界で生きるために進化してきたものです。これからもコウモリのくらす自然を守り、多様な生き物が安心して生活できる環境を未来へ残していきましょう。