ハイイログマ

ネコ目(食肉目) クマ科 クマ属
学名 Ursus arctos horribilis
英名 Grizzly bear
- 体長 180~210cm
- 尾長 9~11cm
- 体重 110~680kg
- 分布 アラスカ、カナダ西部、アメリカ北西部
- 生息地 森林、山地、草原
- 食べ物 小動物、死肉、サーモン、草、根、種子、果実
北アメリカ最大級のクマ
ハイイログマは北アメリカに生息するヒグマの亜種です。英語では「グリズリーベア」と呼ばれ、大きな体と強い力を持つことで知られています。しかし植物や果実も食べる雑食性で、意外な一面もあります。
ハイイログマの分布

ハイイログマは、北アメリカ北西部に分布しています。
主にアラスカ、カナダ西部、アメリカ北西部の森林や山地、草原などで暮らしています。特にサケが遡上する川の近くや、木の実や植物が豊富な自然の中を好みます。
広い縄張りを持ち、人の少ない場所で単独生活をすることがほとんどです。
【生息地】森林、山地、草原
ハイイログマの特徴

体の大きさ
ハイイログマは北アメリカに生息するヒグマの亜種です。体長は180~210cm、体重はオスで最大680kgにもなり、北アメリカ最大級のクマとして知られています。
オスはメスよりも体が大きく、季節によって体重は大きく変化します。冬眠前には脂肪を蓄え、体重が大幅に増えることもあります。
毛の色は灰色じゃない?
毛先が白や銀色に見えるため「ハイイログマ(グリズリー)」という名前が付けられました。
実際の毛色は茶色や黒褐色、金色(ブロンド)などさまざまで、地域や個体によって違いがあります。
名前とは違い、灰色の個体はほとんどいません。
盛り上がった肩

ハイイログマの肩には、大きく盛り上がった筋肉があります。
この筋肉は前足を力強く動かすためのもので、巣穴を掘ったり、大きな岩を動かしたり、倒木をひっくり返してエサを探したりするときに活躍します。
また、サケをつかまえるときや獲物を押さえるときにも、この強い肩の筋肉が大きな力を発揮します。
肩が盛り上がって見えることは、ハイイログマを見分ける特徴の一つです。
前足の長いツメ

前足には10cm以上にもなる長く丈夫なツメがあります。
木登りはあまり得意ではありませんが、このツメを使って地面を掘り返し、植物の根や小動物を探します。
また、シロアリの巣を壊したり、冬眠するための巣穴を掘ったりするときにも役立っています。
サケを捕まえるときには、大きな前足と長いツメでしっかり押さえ込みます。
足の裏全体を地面につけて歩く

クマのなかまは、かかとから足裏全体を地面につけて歩きます。歩く時は、人と同じような足跡がつきます。
これを蹠行性(しょこうせい)と言います。後ろ足だけで立つこともでき、体を大きく見せて敵を威嚇するのに役立ちます。
時速60kmで走る!

大きな体ですが、短距離なら時速60kmほどで走ることができます。
さらに泳ぐことも得意で、川を渡ったり魚を追いかけたりすることもできます。
優れた嗅覚
視力はあまり良くありませんが、嗅覚と聴覚は非常に優れています。
数km先のにおいも感じ取ることができるといわれ、エサや仲間、危険を見つけるのに役立っています。
ハイイログマの生態
何でも食べる!

ハイイログマは雑食性で、草や木の実、果実、昆虫、小動物、魚、死肉など、さまざまなものを食べます。
季節によって食べ物を変えながら、効率よく栄養を集めています。
春は草や新芽、夏はベリー類や昆虫、秋はサケや木の実をたくさん食べて、冬眠に備えて脂肪を蓄えます。
食べ物が少ないときには動物の死肉を食べることもあり、その環境で手に入るものを上手に利用しています。
サケをつかまえる名人!
滝を飛び越えようとするサケを前足でつかまえる姿は、世界中で有名です。夏になると、産卵のために遡上するサケを狙って、アラスカの川には数十頭のハイイログマが集まります。
夏の終わりから秋にかけては、サケをたくさん食べて冬眠に必要な栄養源となる脂肪を蓄えます。
冬眠するクマ
12月になると丘の斜面に巣穴を掘って冬眠(冬ごもり)をします。ハイイログマは冬眠中、ほとんど食べ物も水も口にしません。体にたくわえた脂肪を使いながら、春まで眠り続けます。
冬はエサとなる食べ物が少なくなるため、無駄なエネルギーを使わないよう冬眠をします。
冬眠中は体温が少し下がり、心拍数や呼吸の回数も大きく減ります。それでも危険を感じると目を覚ますことができるため、完全に眠り続けているわけではありません。

冬眠中に赤ちゃんが生まれる!

繁殖期は5月~7月で、妊娠期間は180~265日。妊娠したメスは冬眠中に巣穴の中で2〜3頭の赤ちゃんを産みます。生まれたばかりの赤ちゃんの体重は300~500gです。
赤ちゃんグマ
赤ちゃんは目が閉じたままで、体にはほとんど毛がありません。
お母さんのミルクを飲んで冬ごもりが終わる春ごろには体重は4~5kgにもなり、春に巣穴を出るころには歩けるようになります。
その後はお母さんと一緒に行動しながら、エサの探し方やサケの捕まえ方、危険な動物から身を守る方法を少しずつ学びます。
子どもは2~3年ほど母親と暮らしたあと、独り立ちします。
ハイイログマの天敵
大人になると天敵はほとんどいませんが、人間を除けば自然界で襲われることはほとんどありません。
しかし子どもはオオカミやピューマ、他のオスグマなどに襲われることがあります。
ハイイログマを守るために
現在、ハイイログマは地域によって個体数に差があります。森林開発や道路の建設、人とのトラブルなどによって、生息地が減少している地域もあります。
国立公園や保護区では生息地を守る活動が続けられています。これからも人と野生動物が共に暮らせる環境を守っていくことが大切です。
まとめ
ハイイログマは北アメリカに生息するヒグマの仲間で、大きな体と強い力を持つ一方、植物や果実も食べる雑食性の動物です。長いツメや優れた嗅覚、冬眠する習性など、自然の中で生きるための特徴をたくさん持っています。
現在も一部の地域では生息地の減少が課題となっています。これからも北アメリカの豊かな自然を守り、ハイイログマが安心して暮らせる環境を未来へ残していくことが大切です。