ライオンやゾウ、コアラ、クジラ、コウモリ。
見た目や暮らし方はまったく違いますが、これらはすべてほ乳類の仲間です。
ほ乳類は世界中のさまざまな場所で暮らしており、陸だけでなく海や空にも進出しています。世界最大の動物も、世界最小級の動物も、実はほ乳類です。
では、ほ乳類にはどんな特徴があり、どれくらいの仲間がいるのでしょうか。
一緒に見ていきましょう。
ほ乳類ってどんな動物?
ほ乳類には、ほかの動物には見られない共通した特徴があります。
赤ちゃんはお乳を飲んで育つ
ほ乳類という名前は、お母さんのお乳を飲んで育つことから付けられました。
生まれたばかりの赤ちゃんは、お乳から栄養をもらいながら少しずつ成長します。
クジラやイルカも海で暮らしていますが、お母さんのお乳を飲んで育つため、魚ではなくほ乳類です。
多くの種類は赤ちゃんを産む
ほ乳類のほとんどは卵ではなく赤ちゃんを産みます。
ただし、オーストラリアに暮らすカモノハシやハリモグラだけは、卵を産む珍しいほ乳類です。
生まれた赤ちゃんは卵から出たあと、お母さんのお乳を飲んで育ちます。
体には毛が生えている
ほ乳類の多くは体に毛が生えています。
毛は寒さや暑さから体を守ったり、体温を一定に保ったりする大切な役割があります。
クジラやイルカは大人になると毛がほとんどありませんが、生まれたばかりの赤ちゃんには口のまわりなどに短い毛が生えています。
肺で呼吸する
魚はエラで呼吸しますが、ほ乳類は肺で呼吸します。
そのため、クジラやイルカは長い時間海の中にいても、ときどき海面へ上がって息を吸わなければなりません。
動物はどう分けられるの?

動物は大きく**背骨がある「脊椎動物」**と、**背骨がない「無脊椎動物」**に分けられます。
脊椎動物には、
- 魚類
- 両生類
- は虫類
- 鳥類
- ほ乳類
の5つのグループがあります。
この中で最も種類が多いのは魚類ですが、ほ乳類も約6,500種類が知られています。
ライオンやゾウだけでなく、コウモリやクジラまで同じほ乳類の仲間です。
ほ乳類は全部で何種類いるの?
現在知られているほ乳類は約6,500種類です。
大きさは体長約3cmのキティブタバナコウモリから、体長30mを超えるシロナガスクジラまでさまざまです。
また、熱帯雨林や砂漠、雪山、草原、海など、世界中のあらゆる環境で暮らしています。
それぞれの環境に合わせて体のつくりや生活のしかたが進化してきました。
ほ乳類の仲間を見てみよう!
ネズミ目(げっ歯目)

約2,600種類が知られており、ほ乳類で最も大きなグループです。
ネズミだけでなく、リス、ビーバー、カピバラ、チンチラ、ヤマアラシなども含まれます。
前歯が一生伸び続けるため、木の実や木の枝をかじって長さを調節しています。
リスのなかま
リス科、ウロコオリス科、ビーバー科、ヤマビーバー科、ポケットマウス科、トビウサギ科、ホリネズミ科の7科
ネズミのなかま
ネズミ科、ヤマネ科、トビネズミ科など5科
テンジクネズミのなかま
ヤマアラシ科、グンティ科、デバネズミ科、カピバラ科、アグーチ科、テンジクネズミ科、テグー科、アメリカヤマアラシ科、チンチラ科、ツコツコ科、ヌートリア科などの17科
2位 コウモリ目

約1,400種類います。
ほ乳類で空を自由に飛べるのはコウモリだけです。
小さな昆虫を食べる種類や、果実や花のみつを食べるオオコウモリなど、食べ物もさまざまです。
夜になると超音波を使って障害物や獲物を見つけます。
オオコウモリのなかま
オオコウモリ科のみ
小型コウモリのなかま
キクガシラコウモリ科、ヒナコウモリ科、オヒキコウモリ科、ヘラコウモリ科、チスイコウモリ科、ウオクイコウモリ科など17科
トガリネズミ目

モグラやトガリネズミ、ソレノドンなどが含まれるグループです。
土の中を掘って生活するモグラや、世界最小級のほ乳類であるトガリネズミなど、小さな種類が多いのが特徴です。
霊長目

サルやゴリラ、チンパンジー、そして人間も霊長目に含まれます。
親指で物をつかめる手や、大きく発達した脳を持つことが特徴です。仲間同士で協力したり、道具を使ったりする種類もいます。
サルのなかまは大きく4つに分けられます。
狭鼻猿類(きょうびえんるい)
ニホンザル、ダイアナモンキー、マントヒヒ
広鼻猿類(こうびえんるい)
タマリン、フサオマキザル、クロクモザル
原猿類(げんえんるい)
キツネザル、ロリス、メガネザル
類人猿(るいじんえん)
チンパンジー、オランウータン、ゴリラ、ヒト
有袋類(ゆうたいるい)

カンガルーやコアラ、ワラビーなどの仲間です。
多くの種類は、お腹にある育児のうで赤ちゃんを育てます。
オーストラリアを中心に分布しており、ほかの地域ではあまり見られません。
コアラは、カンガルー目にふくまれています。
アメリカの有袋類
オポッサム目、ケノレステス目、ミクロビオテリウム目
オーストラリアの有袋類
フクロネコ目、フクロモグラ目、バンディクート目、カンガルー目
クジラ偶蹄目

ウシ、シカ、キリン、ラクダ、カバ、クジラ、イルカなどが含まれる大きなグループです。
昔は別々に分類されていましたが、遺伝子の研究によって共通の祖先を持つことが分かりました。
陸と海の両方に仲間がいる、とても不思議なグループです。
陸のなかま(以前のウシ目)
ラクダ科、イノシシ科、ベッカリー科、マメジカ科、プロングホーン科、ジャコウジカ科、シカ科、キリン科、ウシ科
水のなかま(以前のクジラ目)
ナガスクジラ科、コククジラ科、セミクジラ科、マッコウクジラ科、ネズミイルカ科、ヨウスコウカワイルカ科、アカボウクジラ科、マイルカ科、アマゾンカワイルカ科、イッカク科、カワイルカ科
食肉目

ライオンやトラ、ネコ、イヌ、クマ、アシカ、アザラシ、ラッコなどが含まれます。
肉を食べる種類が多いことからこの名前が付いていますが、パンダのように植物を主食とする種類もいます。
鋭い犬歯や丈夫なあごを持ち、優れた運動能力を生かして暮らしています。
ネコのなかま
ネコ科、ジャコウネコ科、ハイエナ科、マングース科
イヌのなかま
イヌ科、アライグマ科、クマ科、イタチ科、アザラシ科、アシカ科
その他
ウマ目
ウサギ目
アリクイ目
アルマジロ目
日本にはどんなほ乳類がいるの?
日本には約160種類のほ乳類が暮らしています。
ヒグマやツキノワグマ、ニホンザル、ニホンジカ、ニホンカモシカなど、動物園でも人気の動物がいます。
また、イリオモテヤマネコやアマミノクロウサギのように、日本だけに生息する珍しいほ乳類もいます。
世界最大と世界最小のほ乳類
世界最大のほ乳類はシロナガスクジラです。体長は30mを超え、体重は190トン近くにもなります。
一方、世界最小級のほ乳類はキティブタバナコウモリです。体長は約3cm、体重は約2gしかありません。
同じほ乳類でも、大きさは1万倍以上も違います。
まとめ
ほ乳類は約6,500種類が知られており、世界中の陸・海・空で暮らしています。
お乳で赤ちゃんを育てることや、肺で呼吸すること、体に毛があることなどが共通した特徴です。
ライオンやゾウ、コアラ、クジラ、コウモリなど、一見するとまったく違う動物でも、みんなほ乳類の仲間です。
動物園で動物を観察するときは、「この動物はどのグループの仲間かな?」と考えながら見ると、今まで気づかなかった共通点や違いを発見できるかもしれません。