【イノシシ|動物図鑑】特徴と生態

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哺乳類
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イノシシ

イノシシは、偶蹄目(ウシ目)に分類されます。最近のDNAの研究結果で、ウシ目のカバとクジラ目のクジラが近いなかまだと分かり、ふたつを合わせてクジラ偶蹄目とも呼ばれています。

哺乳類の総数5000種のなかでウシ目は約240種、クジラ目は約80種。

イノシシはアフリカ北部、ヨーロッパ、アジアに広く分布。日本では本州・四国・九州に分布する二ホンイノシシと、奄美大島より南に分布するリュウキュウイノシシの2亜種がいます。

二ホンイノシシ

クジラ偶蹄目 イノシシ科 イノシシ属
  学名  Sus scrofa leucomystax
  英名  Japanese wild boar

  • 体長  100~170cm
  • 体重  75~180kg
  • 分布  本州・四国・九州
  • 生息地 森林、雑木林、草原

ラテン語で「sus」は「イノシシ」、「scrofa」は「メス豚」という意味があります。

リュウキュウイノシシ

クジラ偶蹄目 イノシシ科 イノシシ属
  絶滅危惧種
  学名  Sus scrofa riukiuanus
  英名  Ryukyu wild boar

  • 体長  90~100cm
  • 体重  20~70kg
  • 分布  奄美諸島、沖縄諸島
  • 生息地 森林、草原

沖縄では「ヤマンシー」と呼ばれています。

イノシシの分布

イノシシはアフリカ北部、ヨーロッパ、アジアに広く分布しています。日本では本州・四国・九州に分布する二ホンイノシシと、奄美諸島(奄美大島、徳之島、加計呂麻島、請島、与路島、沖永良部島)よりと沖縄諸島(沖縄島、八重山諸島の石垣島・西表島)に分布するリュウキュウイノシシの2亜種がいます。

近年、温暖化の影響で二ホンイノシシの分布エリアが北側へ拡大しています。

イノシシの特徴

イノシシは、体ががっしりしていて身体能力が高く、パワフルな動物です。メスの体の大きさはオスよりも小さく、体重にしてオスの20~40%減です。

背中の毛は硬くて長く、危険が近づくと毛を逆立てます。毛色は茶色や茶褐色、黒褐色をしています。

体が大きいイノシシですが、高さ20cmのせまいすき間をくぐり抜けることができます。

イノシシの鼻はブタのように丸くて平たく、鼻先がやわらかいのが特徴です。鼻先は、粘液で湿っていて光って見えるので「鼻鏡(びきょう)」と呼ばれています。またイノシシの臭覚は、人間の数千倍とも言われています。

エサを探すときは、鼻先で地面を掘り返します。鼻の力は強く、50~60kgのものを持ち上げることができます。

視力は人間で例えると0.1~0.2と低く、青色以外の色を認識することができません。敵の発券やエサ探しは臭覚と聴覚に頼っています。

キバ(犬歯)

キバ(犬歯)は、オスとメス共に上下左右に1本ずつあります。下顎のキバ(犬歯)は発達していて、特にオスのキバは長く伸びます。(オス6cm、メス2cm)

キバ(犬歯)は一生伸び続け、オスの武器になります。

イノシシは脚力が強く、最高時速45kmで走ることができます。助走なしで1m以上の高さを飛び越えるジャンプ力があります。

イノシシの足の指には、蹄(ひづめ)があり、本数は4本の偶数です。蹄(ひづめ)は爪のような薄い層になっています。

4本の指は、主蹄(しゅてい)という2本の指と左右に副蹄(ふくてい)という2本の指があります。主蹄(しゅてい)は中指と薬指が変化したものです。

主蹄(しゅてい)には体重をささえる役割があり、副蹄(ふくてい)には岩場などでバランスをとり、足がすべるのをふせぐ役割があります。

イノシシの生態

生活

イノシシは警戒心が強く、非常に神経質な性格です。本来は昼行性で、昼間に活動し、日中は休んでいることが多いです。人間の住むエリアでは、人間を避けるために夜行性になるものもいます。

オスは繁殖期以外は基本的に単独で行動をしますが、若いオス同士で群れをつくる場合もあります。縄張り意識は強くありません。メスは子どもと群れで行動します。

体についたダニなどの寄生虫や汚れを落としたり、体温調節をするために、水たまりに体をこすりつけて泥遊びをします。泥遊びをする場所を『沼田場(ぬたば)』と呼ばれています。

食事

イノシシは雑食性で何でも食べます。主に木の実、木の実、果実を好んで食べますが、他にもミミズやトカゲ、ヘビ、カエル、ネズミ、昆虫類などを食べます。

他のウシのなかまと違って『反すう』をしません。

『反すう』とは、一度食べた食物を胃から口の中に戻して、再びかむことをいいます。

繁殖

交尾は12月~2月頃、出産は春(4月~6月)の年1回です。春の出産に失敗した場合は、秋に出産する場合があります。繁殖期間は120日で、1度に4~6頭(多くて10頭)の子どもを産みます。イノシシは1歳までの生存率が低く、狩猟や栄養不足で半分が死にます。

メスは出産時期になると群れを離れます。出産後、子どもが大きくなると群れの中にもどってきます。

子どもは、植物のウリににていることから『ウリボウ』と呼ばれ、生後半年くらいまでは黄白色の縦じまもようがあります。生後1~2週間は母親とともに行動し、少しずつ離乳していきます。

オスは生後1~2年で母親から離れて独り立ちし、単独かもしくは小さな群れをつくって生活をします。

イノシシの成長は早く、性成熟は1歳半。メスの多くは2歳になると子どもを産むことができます。

 

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