シロサイ

ウマ目(奇蹄目) サイ科 シロサイ属
学名 Ceratotherium simum
英名 White rhinoceroses
- 体長 335~420cm
- 体高 150~185cm
- 体重 1,400~3,600kg
- 分布 南アフリカ共和国、ナミビア、ジンバブエ、ケニア、ウガンダなど
- 生息地 草原、サバンナ
- 食べ物 草
シロサイの亜種
シロサイには、2亜種がいます。
- キタシロサイ
- ミナミシロサイ
シロサイの分布

シロサイは、南アフリカ共和国を中心に、ナミビア、ジンバブエ、ケニア、ウガンダなどに分布しています。
【生息地】草原、サバンナ
シロサイは絶滅したの?
キタシロサイは、角を目的とした密猟や内戦の影響によって激減し、現在はケニアのオルペジェタ自然保護区で暮らすメス2頭だけになっています。野生では2006年以降、確認されていません。
現在は、冷凍保存されたオスの精子とメスの卵子を使った体外受精の研究が進められ、キタシロサイを未来へ残すための取り組みが続けられています。
一方、ミナミシロサイは1895年ごろには約20頭まで減少しました。しかし、保護活動や密猟対策によって個体数は回復し、現在では世界で最も数の多いサイとなっています。
シロサイの特徴

世界一大きなサイ

シロサイは、世界にいる5種類のサイの中で最も大きな種類です。
クロサイよりひと回り大きく、肩には筋肉が盛り上がった大きなコブがあります。このコブは大きな頭を支え、長い時間草を食べ続けるために発達しました。
体にはほとんど毛がありませんが、耳やしっぽの先には少しだけ毛が生えています。
白くないのにシロサイ
シロサイの体の色は白ではなく、灰色や灰褐色です。泥浴びをしたあとは、体が茶色く見えることもあります。
では、なぜ「シロサイ」と呼ばれるようになったのでしょうか。

どうしてシロサイっていうの?

シロサイの名前の由来にはいくつかの説があるけれど、一番有力なのは、口先が広いことを表すアフリカーンス語の『wijd(ワイド/広い)』が、英語の『white(白い)』と聞き間違えられたという説なんだ。
だから、シロサイの体は白ではなく、灰色やくすんだ鉛色をしているんだよ。
サイの角は骨ではない!

シロサイには2本の角があり、前の角が特に長く成長します。大きなものでは160cm近くになることもあります。
サイの角は骨ではありません。人間の髪や爪と同じ「ケラチン」という成分が集まってできています。角が折れても再び伸び、1か月に約5mmずつ成長します。
しかし、角は漢方薬や装飾品として高値で売買されるため、多くのサイが密猟の被害にあっています。そのため、一部の保護区では、サイを守るために麻酔をかけて角を短く切る取り組みも行われています。
厚い皮ふ
シロサイの皮ふは2cm以上の厚さがあり、陸上動物の中でも非常に丈夫です。ライオンなどの肉食動物に襲われても、簡単には傷つきません。
また、シロサイは泥浴びをして体を冷やしたり、皮ふを乾燥から守ったり、寄生虫を落としたりしています。
耳が良く聞こえる
シロサイは視力があまり良くありません。その代わり、大きな耳を自由に動かして周囲の音を聞き分けています。
ラッパのような形をした耳は左右別々に動かすことができ、遠くの物音や仲間の鳴き声、危険な動物の気配をすばやく察知します。
視力を補うために、聴覚と臭覚がとても発達しています。
鼻がとても良い
シロサイは視力が弱い代わりに、優れた臭覚を持っています。
遠くのにおいを感じ取り、草のある場所や水場、仲間やほかのサイの存在を知ることができます。
また、オスは尿やフンで縄張りにマーキングをします。ほかのサイはそのにおいをかぐことで、性別や繁殖期、縄張りの情報などを知ることができます。
シロサイの口は広く平ら

シロサイとクロサイでは、口の形が大きく違います。
シロサイの口は横に広く平らになっていて、地面の草を刈り取るように食べるのが得意です。一方、クロサイの口は先がとがっていて、木の葉や小枝をつまむように食べます。
口の形は、それぞれの食べ物に合わせて進化した特徴です。
足の指は3本しかない

サイと同じウマ目のなかまは約20種いて、ウマ科・バク科・サイ科に分かれます。
サイの足には3本の指があり、それぞれの先には大きなひづめがあります。体重が数トンもあるシロサイですが、3本の指で体重をしっかり支え、草原を安定して歩くことができます。
シロサイの生態
何を食べるの?

シロサイは草食動物です。
広い口を使ってサバンナに生える短い草を食べます。大きな体を維持するため、毎日たくさんの草を食べながらゆっくり移動します。
クロサイのように木の葉や小枝を食べることはほとんどありません。
群れで暮らす
シロサイは草原で生活し、朝や夕方の涼しい時間に草を食べます。暑い昼間は木陰で休んだり、水を飲んだり、泥浴びをして過ごします。
メスと子どもは5~6頭ほどの群れで生活し、ときには10頭以上の群れになることもあります。
一方、成熟したオスは繁殖期以外は単独で生活します。縄張りにはフンや尿でマーキングを行い、ほかのオスが侵入すると角を使って争うことがあります。
シロサイは比較的おだやかな性格で、クロサイよりも攻撃的になることは少ないといわれています。
泥浴びをする理由

シロサイは泥浴びが大好きです。
泥浴びには大切な役割があります。
① 熱くなった体を冷やす
② 泥が乾くと皮ふをコーティングし、乾燥や強い日差しから守る
③ ダニやサシバエなどの寄生虫を落とす
赤ちゃんが生まれる
メスは15~16か月の妊娠期間のあと、1頭の赤ちゃんを産みます。
生まれたばかりの赤ちゃんの体重は40~60kgほどです。
授乳期間は1年以上で、子どもは2~3年間母親と一緒に生活しながら、草の食べ方や危険から身を守る方法を学びます。
性成熟はメスが5~7歳、オスは8~10歳です。
シロサイの天敵
大人のシロサイには、ほとんど天敵はいません。しかし、子どもはライオンやハイエナに襲われることがあります。一番の敵は、角を目的とした密猟を行う人間です。
シロサイの寿命
シロサイの寿命は、野生では約35~40年、動物園では40~50年ほど生きることがあります。
シロサイを守るために
現在、シロサイは密猟や生息地の減少によって数を減らしています。特にキタシロサイは絶滅寸前となっており、体外受精など新しい技術を使った保護活動が続けられています。
また、国立公園や保護区では密猟を防ぐためのパトロールや個体数の調査、生息地を守る活動などが行われています。
これからもシロサイがアフリカの大自然で暮らし続けられるように、一人ひとりが野生動物の保護について考え、未来へつないでいくことが大切です。
まとめ
シロサイは世界最大のサイで、広い口や丈夫な皮ふ、大きな角など、草原で暮らすための特徴をたくさん持っています。見た目は迫力がありますが、普段は草を食べながらおだやかに暮らす草食動物です。
しかし、角をねらった密猟や生息地の減少によって、今も生息数は減少しています。保護活動によって数が回復した地域もありますが、安心できる状況ではありません。
シロサイがこれからもアフリカの草原で元気に暮らせるように、私たちも野生動物を守ることの大切さを知り、豊かな自然を未来へ残していきましょう。