トラはネコ科で最も大きい肉食動物で、黄色と黒のしま模様の体が特徴です。
ネコ科にはトラ以外にもライオン、ヒョウ、ピューマ、チーターなどがいます。
トラについて
トラにはアムールトラ、ベンガルトラ、スマトラトラなど住む場所によって9つの亜種がいます。その中でもいちばん大きいトラはシベリアの針葉樹林に住むアムールトラです。いちばん数が多いのベンガルトラ。
北に寒い地区に住むほど体が大きくなっていきます。体が大きいと体重がけっこうあるわりには表面積が小さく、体から熱が逃げるのを防いてくれるので寒いところでも平気です。これをベルクマンの法則といいます。
アムールトラ
ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
絶滅危惧種
学名 Panthera tigris altaica
英名 Siberian tiger
- 体長 オス270~330cm メス240~275cm
- 体重 オス180~300kg メス100~165kg
- 分布 ロシア極東部、中国北東部
- 生息地 森林
- 食べ物 イノシシ、シカ、魚、鳥、昆虫
ネコのなかまで一番大きい。オレンジ色の毛は淡く、寒いシベリアで生活できるように毛が長いのが特徴。
針葉樹と広葉樹が混じりあうロシア極東部の森林『ウスリータイガ』に生息しています。
ベンガルトラ
ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
絶滅危惧種
学名 Panthera tigris tigris
英名 Bengal tiger
- 体長 オス230~300cm メス180~230cm
- 体重 オス180~230kg メス90~180kg
- 分布 インド、ネパール、バングラデシュ、ブータン
- 生息地 森林、草原
- 食べ物 イノシシ、シカ、魚、鳥、昆虫
黒いしま模様が全体にあり、オレンジ色の毛が濃いのが特徴。毛はみじかく、冬は2cmしかありません。他のトラにくらべてしま模様は少なめ。
ホワイトタイガーは、ベンガルトラの白変種になります。
スマトラトラ
ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
絶滅危惧種
学名 Panthera tigris sumatrae
英名 Sumatran tiger
- 体長 150~270cm
- 体重 80~150kg
- 分布 インドネシア(スマトラ島)
- 生息地 熱帯雨林
- 食べ物 イノシシ、シカ、魚、鳥、昆虫
もっとも小さい種で、アムールトラより3割小さく体重は半分ほどです。スマトラの熱帯雨林に生息しています。ほっぺの毛は長く、たてがみは短め。しま模様は間がせまい。
トラの特徴
黄色と黒のしま模様のからだ
トラのしま模様は実はよこじま
トラがマスコットであるプロ野球チームの阪神タイガースといえば、白と黒のたてじまのユニフォームですよね。なのでトラといえば、たてじまかと思いきや、実はトラはよこじまなんです。
背骨にたいして模様がタテかヨコかで決まるようです。
トラの子どもにも黒いしま模様がありますよ。
しま模様は森林では目立ちにくい
トラのハデな模様は目立ってしまうよね?
いいや、その逆なんだよ。森の中では目立ちにくいんだ。
動物のほとんどは色を区別することができません。トラのハデな模様も白黒に見えるので、まったく目立ちません。
森の中ではトラのハデな模様もまわりと溶け込んでしまうので、獲物に気づかれずに近づくのに好都合なんです。
大きなキバと肉をかみ切る歯
トラには獲物を一撃でやっつけるための大きなキバ(犬歯)と、肉を引き裂くためのするどい歯があります。
ザラザラの舌
トラの舌はざらざらしていて骨から肉をそぎ落とすのに役立ちます。
トラの生態
生活
トラは単独で行動します。オスやメスも1頭1頭縄張りがあります。縄張りをつくるために、木を爪で引っかいたり、木の幹におしっこをかけてマーキングをします。
縄張りを知らせるときのトラの声は、遠くまでひびきます。
狩り
体の縞模様で草木の茂みに隠れ、一気に飛び出して獲物を捕らえます。トラの肉球は分厚く、音を立てずに獲物に近づくことができます。
狩りの成功率は20分の1で、3~6日かけて大きな獲物をつかまえます。一度に30~40kgもの肉を食べます。
食べ物
肉食動物なのでなんでも食べます。主にシカやイノシシ、ウシ、クマなど。
出産
メスは2~3年に1度、子どもを妊娠し、2~4頭産みます。2歳になるまでに半分が死んでしまいます。
コメント