【マレーバク|動物図鑑】特徴と生態

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哺乳類
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マレーバク

4月27日は『世界バクの日』

ウマ目(奇蹄目) バク科 バク属
  絶滅危惧種
  学名  Tapirus indicus
  英名  Malayan Tapir

  • 体長  185~240cm
  • 体高  90~105cm
  • 体重  250~365kg
  • 分布  マレー半島、スマトラ島
  • 生息地 熱帯雨林、湿地
  • 食べ物 木の葉、若葉、果実、水草

マレーバクは、白と黒の体が特徴的な東南アジアに暮らす大型の草食動物です。

見た目はブタのような長い鼻をしていますが、ブタの仲間ではありません。実は、ウマやサイに近い「ウマ目(奇蹄目)」の仲間です。世界には4種類のバクがいますが、その中でもマレーバクは最も体が大きい種類です。

また、「バクは夢を食べる動物」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。

しかし、それは昔の中国に伝わる想像上の動物「獏(ばく)」の伝説が由来で、実際のマレーバクは夢を食べません。それでも、どこか不思議な見た目から、今でも夢を食べる動物として親しまれています。

マレーバクの分布

マレーバクは、マレー半島とインドネシアのスマトラ島だけに生息しています。熱帯雨林や湿地、川の近くを好み、水辺の多い森で暮らしています。

世界のバクの仲間は全部で4種類です。

  • マレーバク(東南アジア)
  • ベアードバク(中央アメリカ)
  • ヤマバク(南アメリカ・アンデス山脈)
  • アメリカバク(南アメリカ)

昔はもっと広い地域に暮らしていましたが、森林伐採などによって生息地は少なくなっています。

マレーバクの特徴

体の大きさ

マレーバクは世界に4種類いるバクの中で最も大きな種類です。体長は185~240cm、体重は250~365kgになります。

体はずんぐりとして力強く、短く丈夫な足でぬかるんだ森や川辺でも安定して歩くことができます。

見た目は少し重たそうですが、泳ぐことも得意で、水の中では大きな体を上手に動かして移動します。

白と黒の不思議な体

マレーバクの一番の特徴は、白と黒にはっきり分かれた体の色です。遠くから見るととても目立つように感じますが、夜の森では木漏れ日や影にまぎれて体の輪郭が分かりにくくなります。

そのため、この白黒模様は敵から身を守るための保護色になっていると考えられています。

一方、生まれたばかりの子どもは、大人とはまったく違う姿をしています。茶色い体に白いしま模様や水玉模様があり、イノシシの子どもの「ウリ坊」によく似ています。

この模様も森の中で身を隠すための保護色です。生後半年ほどで少しずつ白黒模様へ変わっていきます。

長くてよく動く鼻

マレーバクの鼻は短いゾウの鼻のように見えます。この鼻は、鼻と上くちびるが一体になったもので、とても自由に動かせます。

高い枝の葉を引き寄せたり、落ちている果実を拾ったりするときに大活躍します。

また、優れた嗅覚を持ち、食べ物や仲間のにおいをかぎ分けるのにも役立っています。

足のひづめ

マレーバクの足には丈夫なひづめがあります。前足は4本、後ろ足は3本です。

同じウマ目の仲間でも、ウマは1本、サイは3本のひづめがあります。

どの仲間も体重を真ん中の指で支えているため、「奇蹄目(きていもく)」と呼ばれています。

柔らかい地面でも足をしっかり支え、ぬかるんだ森の中を静かに歩くことができます。

耳と鼻がよく発達している

マレーバクは視力があまり良くありません。

しかし、その代わりに耳と鼻がとても発達しています。小さな物音にもすぐ気付き、においから危険や食べ物を見つけることができます。

夜の暗い森でも、安全に行動できる理由の一つです。

マレーバクの生態

何を食べるの?

マレーバクは草食動物です。木の葉や若葉、果実、枝、水草などを食べています。

長くてよく動く鼻を使って枝を引き寄せたり、落ちている果実を拾ったりしながら食事をします。

夜になると森の中を歩き回り、1日に何kgもの植物を食べます。植物の種を食べたあとは、フンと一緒に種を運ぶため、森に新しい木が育つ手助けもしています。

そのため、マレーバクは「森を育てる動物」とも呼ばれています。

夜の森でくらす

マレーバクは夜行性です。

昼間は木陰や茂みの中で休み、日が沈んで涼しくなると活動を始めます。夜になると優れた嗅覚と聴覚を使いながら、食べ物を探してゆっくり歩き回ります。

普段は1頭で生活することが多く、繁殖期以外は単独で行動します。

それぞれが広い縄張りを持ち、においを付けて自分の行動範囲を知らせています。

泳ぐのがとても得意

マレーバクは見た目からは想像しにくいですが、とても泳ぎが得意です。暑い日には川や池に入って体を冷やしたり、水草を食べたりします。

危険が近づくと、水の中へ飛び込んで身を守ることもあります。

泳ぐときは鼻だけを水面から出して呼吸します。まるでシュノーケルのように鼻を使い、水の中を静かに泳ぎます。

また、水の中で体についた虫を落としたり、泥を体につけて虫よけにしたりすることもあります。

赤ちゃんの誕生

繁殖期に決まった季節はなく、1年中子どもを産むことができます。

妊娠期間は約390〜410日で、およそ13か月です。普通は1回に1頭の赤ちゃんを出産します。

生まれたばかりの赤ちゃんは体重約6〜10kgで、大人とは違い、茶色い体に白いしま模様や水玉模様があります。

この模様は森の木漏れ日に溶け込み、敵から身を守るための保護色です。生後半年ほどすると、少しずつ大人と同じ白と黒の体へ変わっていきます。

赤ちゃんは約6〜8か月間、お母さんのお乳を飲みながら成長し、2〜3歳ほどで大人になります。

マレーバクの天敵

大人のマレーバクは体が大きいため、天敵はあまり多くありません。しかし、子どもはトラやヒョウ、大型のワニなどに狙われることがあります。

危険を感じると、水の中へ逃げ込んだり、茂みの中へ身を隠したりして敵から身を守ります。

また、お母さんも赤ちゃんのそばで警戒し、外敵から守りながら子育てをします。

バクの仲間

現在、世界には4種類のバクが生息しています。

どの種類も森林や湿地など、水辺の近くで暮らす草食動物です。見た目はよく似ていますが、住んでいる地域や体の大きさには違いがあります。

マレーバク

東南アジアのマレー半島やスマトラ島に生息しています。4種類の中では最も体が大きく、白と黒にはっきり分かれた体の色が特徴です。現在は森林伐採や道路開発によって生息地が減少し、絶滅が心配されています。

ベアードバク

メキシコ南部からコロンビア北西部までの熱帯雨林に生息しています。体は黒っぽい褐色で、マレーバクに次いで大きな種類です。泳ぐことが得意で、川や沼の近くを好んで生活しています。森林の減少によって生息数が減っています。

アメリカバク

南アメリカの熱帯雨林や湿地に広く分布しています。4種類の中では最も広い範囲に生息していますが、森林開発によって少しずつ数が減っています。果実をたくさん食べるため、植物の種を森の中へ運ぶ重要な役割も担っています。

ヤマバク

南アメリカ北西部のアンデス山脈に生息しています。標高2,000~4,000mほどの涼しい山地で暮らす唯一のバクです。黒い体に白い口元が特徴で、長い毛が生えているため寒さにも強くなっています。世界で最も数が少ないバクの一つです。

マレーバクを守るために

現在、マレーバクは絶滅危惧種に指定されています。

一番大きな原因は、熱帯雨林の減少です。森林が農地やアブラヤシ農園へ変わることで、暮らせる場所が少なくなっています。

また、新しく作られた道路によって森が分断され、自動車との交通事故も増えています。さらに、わなによる事故や密猟も減少の原因となっています。

現在は、マレーシアやインドネシアで国立公園を中心とした保護活動が行われています。動物園でも繁殖に取り組み、将来へ命をつないでいく活動が続けられています。

マレーバクがこれからも森で暮らしていくためには、生息地である熱帯雨林を守ることが何より大切です。

まとめ

マレーバクは東南アジアの熱帯雨林に暮らす、世界最大のバクです。白と黒の体は目立つように見えますが、夜の森では敵から身を守る保護色として役立っています。

また、長く自由に動く鼻を使って植物を食べたり、泳ぎが得意だったりするなど、森や水辺で暮らすための特徴をたくさん持っています。

植物の種を運び、熱帯雨林を育てる大切な役割も担っています。しかし現在は森林伐採や開発によって生息数が減り、絶滅の危機に直面しています。

これからも豊かな熱帯雨林を守り、マレーバクが安心して暮らせる環境を未来へ残していくことが大切です。

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