【トラ|動物図鑑】特徴と生態

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トラについて

7月29日は『国際トラの日』

 ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
  絶滅危惧種
  学名  Panthera tigris
  英名  Tiger

  • 体長  150〜330cm(亜種によって異なる)
  • 体重  80〜300kg(亜種によって異なる)
  • 分布  ロシア極東部、中国、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュ、東南アジアなど
  • 生息地 森林、草原、湿地、マングローブ林
  • 食べ物 シカ、イノシシ、ウシ類、サル、魚など

トラは、ネコ科の中で最も大きな動物です。黄色やオレンジ色の体に黒いしま模様があり、その力強く美しい姿は、多くの人を魅了しています。

現在はアジアだけに生息しており、森林や草原、湿地などさまざまな環境で暮らしています。しかし、森林伐採や密猟によって数が減り、世界では絶滅が心配されています。

トラには住む地域によっていくつかの亜種があり、それぞれ体の大きさや毛の長さ、しま模様などに違いがあります。

トラの仲間

トラには現在、野生では5つの亜種が生息しています。

代表的な亜種には、世界最大のアムールトラ、最も数が多いベンガルトラ、最も小さいスマトラトラなどがいます。

アモイトラ(中国トラ)は野生では絶滅した可能性が高く、現在は飼育下のみで生息しています。一方、ジャワトラ・バリトラ・カスピトラの3亜種は、すでに絶滅したと考えられています。

寒い地域に生息するトラほど体が大きく、暑い地域のトラほど小さくなる傾向があります。これは、体が大きいほど熱が逃げにくくなるベルクマンの法則によるものです。

アムールトラ

 ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
  絶滅危惧種
  学名  Panthera tigris altaica
  英名  Siberian tiger

  • 体長  オス270~330cm メス240~275cm
  • 体重  オス180~300kg メス100~165kg
  • 分布  ロシア極東部、中国北東部
  • 生息地 森林
  • 食べ物 シカ、イノシシ、ウシ類、サル、魚など

ネコのなかまで一番大きい。オレンジ色の毛は淡く、寒いシベリアで生活できるように毛が長いのが特徴です。

針葉樹と広葉樹が混じりあうロシア極東部の森林『ウスリータイガ』に生息しています。

ベンガルトラ

 ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
  絶滅危惧種
  学名   Panthera tigris tigris
  英名   Bengal tiger

  • 体長  オス230~300cm メス180~230cm
  • 体重  オス180~230kg メス90~180kg
  • 分布  インド、ネパール、バングラデシュ、ブータン
  • 生息地 森林、草原
  • 食べ物 シカ、イノシシ、ウシ類、サル、魚など

アムールトラより毛が短く、濃いオレンジ色の体と黒いしま模様が特徴です。

ホワイトタイガーは、ベンガルトラの白変種になります。

スマトラトラ

 ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
  絶滅危惧種
  学名   Panthera tigris sumatrae
  英名   Sumatran tiger

  • 体長  150~270cm
  • 体重  80~150kg
  • 分布  インドネシア(スマトラ島)
  • 生息地 熱帯雨林
  • 食べ物 シカ、イノシシ、ウシ類、サル、魚など

もっとも小さい種で、アムールトラより3割小さく体重は半分ほどです。ほっぺの毛は長く、たてがみは短め、しま模様は間がせまいのが特徴です。

スマトラの熱帯雨林に生息しています。

トラの分布

トラは、ロシア極東部から中国、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、マレー半島、インドネシア(スマトラ島)など、アジア各地に分布しています。

【生息地】森林・草原・湿地・マングローブ林

昔は西アジアから東南アジアまで広く分布していましたが、人間による開発や密猟によって生息地は大きく減少しました。

現在は保護区を中心に暮らしており、国際的な保護活動によって少しずつ個体数が回復している地域もあります。

トラの特徴

ネコ科最大の体

トラは、ネコ科の中で最も大きな動物です。

亜種によって大きさは異なり、ロシア極東部にくらすアムールトラは、体長3mを超え、体重300kg近くになることもあります。一方、インドネシアのスマトラ島にくらすスマトラトラは最も小さく、アムールトラの半分ほどの体重しかありません。

寒い地域ほど体が大きく、暖かい地域ほど小さくなるのが特徴です。

黄色と黒のしま模様

トラといえば、美しい黄色やオレンジ色の体に黒いしま模様が特徴です。

しま模様は一頭ごとに違い、人間の指紋のように同じ模様はありません。

一見すると目立つように見えますが、森林では木漏れ日や草木の影にまぎれ、意外と見つかりにくくなります。そのため、獲物に気づかれず近づくためのカムフラージュとして役立っています。

また、体の毛だけでなく皮膚にも同じしま模様があります。

大きな犬歯と肉を切る歯

トラには、獲物を仕留めるための大きく鋭い犬歯があります。

犬歯は長さが7〜9cmほどになり、シカやイノシシなどの首にかみついて、一気に倒します。さらに奥歯には、肉をはさみのように切り裂く裂肉歯(れつにくし)が発達しています。

この歯のおかげで、硬い肉や筋を効率よく食べることができます。

ザラザラした舌

トラの舌には、小さな突起(糸状乳頭)がたくさん並んでいます。

そのため舌はヤスリのようにザラザラしており、骨についた肉をこそげ取ったり、毛づくろいで体の汚れを落としたりするときに役立っています。

ネコが人の手をなめるとザラザラしているのも、同じしくみです。

静かに歩ける肉球

トラの肉球は厚くてやわらかく、歩くときの音を吸収します。そのため、落ち葉の上や森の中でも足音をほとんど立てずに獲物へ近づくことができます。

また、鋭い爪は普段は指の中にしまわれているため、歩いてもすり減りにくく、狩りのときにしっかり獲物をつかむことができます。

泳ぎが得意

ネコ科の動物は水を嫌う種類が多いですが、トラは泳ぎが得意です。

暑い日には川や池に入って体を冷やしたり、川を渡って縄張りを移動したりします。

数km以上泳ぐこともあり、魚やカメを捕まえる姿が観察されることもあります。トラにとって水辺は、生活に欠かせない大切な場所です。

トラの生態

何を食べるの?

トラは肉食動物です。

主にシカやイノシシ、ウシ類などの大型動物を食べますが、地域によってはサルやウサギ、鳥、魚などを捕まえることもあります。

獲物が少ない地域では、カエルや昆虫など小さな動物を食べることもあり、環境に合わせて食べ物を変えながら生活しています。

単独でくらす

トラは基本的に1頭で生活します。

オスもメスもそれぞれ縄張りを持ち、ほかのトラが勝手に入ってこないように木へ尿をかけたり、木の幹を爪で引っかいたりして自分の存在を知らせます。

また、大きなほえる声は数km先まで届くことがあり、縄張りを知らせたり仲間と連絡を取ったりする役割があります。

狩りのしかた

トラはライオンのように群れで狩りをするのではなく、1頭で狩りをします。草むらや木の陰に身を隠し、ゆっくりと獲物へ近づいて、一気に飛びかかります。

成功率はそれほど高くなく、10~20回挑戦して1回成功する程度といわれています。

大きな獲物を捕まえると、一度に30kg以上の肉を食べることもあります。

赤ちゃんが生まれる

繁殖期になるとオスとメスが出会い、交尾をします。妊娠期間は約100~110日で、通常2~4頭の赤ちゃんを出産します。

生まれたばかりの子どもは目が開いておらず、とても小さく、母親だけが育てます。生後2か月ほどで肉を食べ始め、1年半から2年ほど母親と一緒に生活しながら狩りの方法を学びます。

しかし、野生では子どもの半数近くが大人になる前に命を落としてしまいます。

トラを守るために

トラは、かつてアジアの広い地域に生息していました。しかし、森林伐採による生息地の減少や、毛皮や骨を目的とした密猟によって数が大きく減少しました。

現在では世界各地で保護区の整備や密猟の取り締まりが進められています。また、動物園でも繁殖計画が行われ、将来のトラを守るための取り組みが続けられています。

近年は一部の地域で個体数が回復してきましたが、多くの亜種は今も絶滅の危機にあります。これからも森林を守り、人と野生動物が共存できる環境をつくることが大切です。

動物園でトラを観察してみよう

動物園では、力強い歩き方や美しいしま模様、大きな足や長い犬歯などを近くで観察できます。

歩くときの静かな足音や、水に入る様子、木に体をこすりつける行動などにも注目すると、野生でくらすための工夫がよく分かります。

トラのしま模様は一頭ずつ違うので、それぞれの個体を見比べてみるのもおすすめです。

まとめ

トラは、ネコ科で最も大きな動物です。美しいしま模様は森に溶け込むための大切なカムフラージュであり、大きな犬歯や鋭い爪、静かに歩ける肉球など、狩りに適した体を持っています。

現在は生息地の減少や密猟によって絶滅が心配されていますが、世界中で保護活動が続けられています。

力強く美しいトラがこれからも野生で暮らし続けられるよう、自然環境や野生動物を守ることの大切さを考えていきたいですね。

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