サルのなかまは、脳が大きく知能が発達し、もっとも進化したグループです。
ヒト科(オランウータン、チンパンジー、ゴリラ)とテナガザル科は、類人猿とよばれています。
アジアに生息する唯一の大型ヒト科動物が、オランウータンです。オランウータンは、マレー語でオランは人、ウータンは森で「森の人」という意味があります。
今回は、オランウータンの紹介です。
どんななかまがいるの?
オランウータンには、ボルネオオランウータンとスマトラオランウータンがいます。
ボルネオオランウータンの個体数は、スマトラオランウータンの約10倍です。
オランウータン
ボルネオオランウータン
サル目(霊長目) ヒト科 オランウータン属
学名 Pongo pygmaeus
英名 Bornean Orangutan
- 体長 オス140cm メス120cm
- 尾長 0cm
- 体重 オス100kg メス50kg
オスの顔が丸く、毛色は黒っぽく赤褐色です。
スマトラオランウータン
サル目(霊長目) ヒト科 オランウータン属
学名 Pongo abelii
英名 Sumatran Orangutan
- 体長 オス140cm メス90cm
- 尾長 0cm
- 体重 オス90kg メス45kg
顔は細長く、毛は長くて、毛の色はうすい赤褐色です。
生息地
東南アジア(ボルネオ島、スマトラ島北部)
オランウータンの特徴
フランジ
顔の両脇のでっぱりの部分をフランジといいます。
この部分が大きいオスのことをフランジオスと呼ばれます。とくに力の強いオスはフランジが発達して大きくなり、力の弱いオスは大きくなりません。
フランジをもつオスには大きなのど袋があり、膨らませることで体を大きくみせています。フランジオスは他のオスを威嚇したり、メスを気をひくために、ロングコールという大声をだします。
物がつかみやすい平づめ
サルのなかまの手は、親指と他の指が向き合うような形をしていて、物をつかみやすくなっています。
指のつめは人と同じ平づめで、小さい物をつかむのに役立ちます。
ゴリラやチンパンジーとちがい、オランウータンはナックルウォークをしません。
正面を向いたサルの目
サルのなかまの目は、眼球が骨でかこまれているので、哺乳類よりも目の動きが安定しています。
両方の目は正面を向いていて、距離を正確にはかるのに適しています。
オランウータンの生態
生活
樹上性が高く、日中は食べ物をさがしに枝から枝へ移動し、高い木の上から下りてくることは、ほとんどありません。夜は、毎日、折り曲げた木の枝で作ったベットで寝ています。
ボルネオ島には大きな敵がいないので、オスは地上に下りてきて移動することもあります。メスや子どもは、何週間も木の上から下りてこないこともめずらしくありません。
食べ物
雑食性で果実、葉、樹皮、花、鳥の卵、昆虫、小型哺乳類を食べます。
オランウータンは、あまい果実が大好きで、手と歯をつかって上手に皮をむき、果肉をとります。食べ物が豊富な時期に、たくさん食べて脂肪をたくわえます。
繁殖
オランウータンは、一夫一妻。妊娠期間は230~270日で、1産1子です。授乳期間は2~3年で、生後4~5年はお母さんといっしょに生活をしていきます。生後4年を過ぎると、お母さんの元を離れて生活をするようになります。7~10年で独立してしていきます。
メスは、子どもができると、5年間ほどは子育てに専念し、子どもは一人前になるまでは子作りをしません。
福岡の動物園でオランウータンに会えます
福岡市動物園
最後に
現在、オランウータンが生息する森は、プランテーションによる森林伐採や森林火災によって80%減少し、生活環境がどんどん悪化してきています。
密猟や密輸によってオランウータンの生息数は大きく減少し、絶滅の危険が高くなっています。
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