カバ科のなかま

カバ科には、カバとコビトカバの2種類がいます。
コビトカバは西アフリカの熱帯林にくらし、体重は180~275kgほどで、カバの6分の1から10分の1ほどしかありません。
また、カバが川や湖で群れをつくって生活するのに対し、コビトカバは森林の中で単独生活を送ることが多く、水に入る時間も比較的短いことが知られています。
カバ

2月15日は『世界カバの日』
クジラ偶蹄目 カバ科 カバ属
絶滅危惧種
学名 Hippopotamus amphibius
英名 Hippopotamus
- 体長 280~420cm
- 体重 2,000~3,200kg
- 分布 アフリカ(サハラ砂漠より南)
- 生息地 河川、湖、沼地
- 食べ物 草
カバは、アフリカの川や湖にくらす大型のほ乳類です。陸上ではゾウとサイに次いで大きく、大きな口と長いキバが特徴です。
昔はイノシシの仲間に近いと考えられていましたが、DNAの研究によって、現在ではクジラやイルカに近い仲間であることが分かっています。
昼間は水の中で過ごし、夜になると陸へ上がって草を食べます。見た目はおとなしく見えますが、とても力が強く、縄張りを守るためにはライオンやワニにも立ち向かいます。
コビトカバ

クジラ偶蹄目 カバ科 コビトカバ属
絶滅危惧種
学名 Choeropsis liberieensis
英名 Pygmy hippopotamus
- 体長 150~175cm
- 体重 180~275kg
- 分布 西アフリカ(リベリア、ギニア、ガーナ、ナイジェリア、シエラレオネ)
- 生息地 熱帯林や沼地
- 食べ物 草
コビトカバは、西アフリカの熱帯林に生息するカバ科の動物です。体重は180~275kgほどで、カバよりずっと小さく、日本では限られた動物園でしか見ることができません。
カバが水辺で群れをつくるのに対し、コビトカバは単独で生活することが多く、森林の中で静かにくらしています。また、水に入る時間はカバより短く、陸上で過ごす時間が長いことも特徴です。
森林伐採や密猟によって生息数は減少しており、カバと同じく絶滅が心配されています。
カバの分布

カバは、サハラ砂漠より南のアフリカに広く分布しています。
【生息地】河川・湖・沼地
一年中水のある場所を好み、昼間は水辺で過ごします。
一方、コビトカバはリベリアやシエラレオネなど西アフリカの熱帯林や沼地に生息しています。
カバの特徴

体の大きさ
カバは体長280~420cm、体重2,000~3,200kgになります。陸上ではゾウとサイに次ぐ大きさで、オスはメスよりも大きく成長します。
大きな体ですが、陸上では時速30kmほどで走ることができ、短い距離なら人より速く移動します。
大きな口

カバは動物の中でも特に大きな口を持っています。口は約150度まで開き、縄張り争いでは大きく口を開けて相手を威嚇します。
この行動は「自分の方が強い」と示す合図でもあり、実際に戦う前の警告として行われます。
長いキバ
下あごには鋭く長い犬歯があり、大きなものでは50cm近くまで成長します。キバは食べ物をかむためではなく、縄張り争いや外敵から身を守る武器として使われます。
ライオンやワニが近づいたときには、このキバで反撃することもあります。
顔の上についた目・耳・鼻

カバの目、耳、鼻は顔の上側に集まっています。そのため、体のほとんどを水に沈めたままでも、呼吸をしたり周囲の様子を確認したりできます。
水中では鼻の穴と耳を閉じることができ、一度に3~5分ほど潜ることができます。
足の水かき
4本の足には水かきがあり、ぬかるんだ川底でも安定して歩けます。
カバは泳ぐというより、水底を力強く蹴って歩いたり、跳ねるように移動したりします。
赤い分泌液で肌を守る

カバの皮膚は乾燥や強い日差しに弱く、昼間は水や泥の中で過ごしています。
さらに皮膚から赤みのある分泌液を出し、乾燥や紫外線から体を守っています。この分泌液には細菌の繁殖を抑える働きもあり、「天然の日焼け止め」とも呼ばれています。
カバの生態
何を食べるの?

カバは草食性で、主にイネ科の草を食べています。
昼間はほとんど食事をせず、日が暮れてから陸へ上がり、草や木の葉を食べます。食べ物を探して、一晩に数km歩くこともあります。
1日に食べる草の量は約40~70kgです。大きな口で草をくわえ、奥歯ですりつぶして食べています。
水辺でくらす

カバは河川や湖、沼地の近くで生活しています。昼間は水の中で体を冷やしながら休み、夕方になると陸へ上がって活動を始めます。
オスは縄張りを持ち、ほかのオスが入ってくると大きな口を開けて威嚇します。一方、メスと子どもは10~15頭ほどの群れで生活し、場所によっては100頭以上が集まることもあります。
水の中では泳ぐというより川底を歩いたり、後ろ足で地面を蹴って跳ねるように移動したりしています。
赤ちゃんが生まれる
カバは4~5歳ほどで繁殖できるようになります。妊娠期間は約8か月で、通常は1頭の赤ちゃんを出産します。
出産や授乳は水の中で行われることが多く、生まれた赤ちゃんはすぐに泳ぎ始めます。授乳中も息継ぎをしながら母親のそばで成長し、危険が近づくと母親が体を張って守ります。
ウンチをまき散らす理由

カバは排せつをするとき、しっぽを勢いよく振ってウンチを周囲にまき散らします。これは縄張りを知らせたり、自分の存在をほかのカバへ伝えたりするための行動です。
ニオイによる情報交換は、カバにとって大切なコミュニケーションの一つになっています。
カバの天敵
子どものカバはライオンやワニ、ハイエナなどに襲われることがあります。しかし、大人のカバは非常に体が大きく力も強いため、天敵はほとんどいません。
現在は、人間による密猟や生息地の減少が、野生のカバにとって最も大きな脅威となっています。
カバの寿命
カバの寿命は、野生では約40年です。動物園などの飼育下では、50年以上生きる個体もいます。
丈夫な動物ですが、自然界では環境の変化や人間の活動による影響を受けながら生活しています。
カバを守るために
カバは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種(Vulnerable)に指定されています。
近年は河川や湿地の開発によって生息地が減少しているほか、肉や長いキバを目的とした密猟も大きな問題となっています。
各地で保護区の整備や密猟の取り締まり、生息数の調査などが行われていますが、野生の個体数は減少傾向にあります。
まとめ
カバは、大きな口や長いキバ、水辺での生活に適した体など、多くの特徴を持つアフリカ最大級の動物です。見た目はのんびりしていますが、とても力が強く、縄張りを守るためには勇敢に戦います。
一方で、生息地の減少や密猟によって野生の個体数は減少しています。カバやコビトカバがこれからも自然の中で暮らし続けられるよう、生息地を守る取り組みが大切です。
動物園でカバを見かけたら、大きな口や水中で過ごす様子だけでなく、赤い分泌液で肌を守る不思議な体のしくみにも注目してみてください。