ヤマアラシのなかま

ヤマアラシのなかまは、世界に約30種類います。
大きく分けると、ヤマアラシ科(旧世界ヤマアラシ)とアメリカヤマアラシ科(新世界ヤマアラシ)の2つのグループがあります。
ヤマアラシ科はアフリカやヨーロッパ、アジアに分布し、主に地上で生活しています。一方、アメリカヤマアラシ科は北アメリカや南アメリカに分布し、多くの種類が木の上で生活しています。
どちらも体を守るためのトゲを持っていますが、別々に進化したグループで、近い仲間ではありません。
アフリカタテガミヤマアラシ(ヤマアラシ科)

ネズミ目(齧歯目)ヤマアラシ科 ヤマアラシ属
学名 Hystrix cristata
英名 African crested porchupine
- 体長 60~93cm
- 尾長 10~17cm
- 体重 10~24kg
- 分布 北アフリカ、西アフリカ~中央アフリカ、東アフリカの一部、イタリア、シチリア島
- 生息地 開けた森林、草原、岩場、山地
- 食べ物 草、木の葉、果実、木の実、樹皮、昆虫、小型脊椎動物、ときには死肉
アフリカタテガミヤマアラシは、世界にいるヤマアラシの中でも特に大きな種類です。
体中をおおう長くて鋭いトゲは、ライオンやヒョウ、ハイエナなどの大型肉食動物から身を守るための大切な武器です。
見た目は勇ましい動物ですが、自分から戦いをしかけることはほとんどありません。まずはトゲを逆立てたり、尾のトゲを震わせて「ガラガラ」と音を鳴らしたりして相手を警戒します。それでも敵が近づいてくると、後ろ向きに勢いよく突進して身を守ります。
体のトゲは毛が変化したもので、抜けても新しいトゲが生え変わります。防御に特化した体のおかげで、アフリカでは「ライオンでも油断できない動物」として知られています。
アフリカタテガミヤマアラシの分布

アフリカタテガミヤマアラシは、北アフリカ、西アフリカ~中央アフリカ、東アフリカの一部、イタリア、シチリア島にも分布しています。
【生息地】 開けた森林・草原・岩場・山地
昼間は自分で掘った巣穴や岩のすき間で休み、夕方から夜にかけて活動します。乾燥した地域から標高2,000mを超える山地まで、さまざまな環境に適応して暮らしています。
カナダヤマアラシ(アメリカヤマアラシ科)

ネズミ目(齧歯目)アメリカヤマアラシ科 カナダヤマアラシ属
学名 Erethizon dorsatum
英名 North American porcupine
- 体長 65~80cm
- 尾長 14~30cm
- 体重 1~7kg
- 分布 北アメリカ(アラスカ南部、カナダの大部分、アメリカ北部~西部・東部の森林地帯、メキシコ北部の一部)
- 生息地 森林、ツンドラ
- 食べ物 葉、樹皮、果実、木の実
カナダヤマアラシは、アメリカヤマアラシ科を代表する種類です。
アフリカタテガミヤマアラシとは違い、木登りがとても得意で、一生の多くを木の上で過ごします。長い爪と毛のない足の裏を使って枝をしっかりつかみ、木の葉や樹皮を食べながら生活しています。
カナダヤマアラシの分布

カナダヤマアラシは、北アメリカ(アラスカ南部、カナダの大部分、アメリカ北部~西部・東部の森林地帯、メキシコ北部の一部)に分布しています。
【生息地】森林、ツンドラ
アフリカタテガミヤマアラシの特徴

体の大きさ
アフリカタテガミヤマアラシは、体長60~93cm、体重10~24kgになる、ヤマアラシのなかまでは大型の種類です。
ずんぐりとした体に短い足、太い首を持ち、見た目以上に力が強い動物です。大きな体でもすばやく方向転換ができ、敵に向かって後ろ向きに突進することもあります。
長くてするどいトゲ

アフリカタテガミヤマアラシの最大の特徴は、体中をおおう長くて鋭いトゲです。長さは30cmほどになり、大きな個体では50cm近くまで成長することもあります。
危険を感じると、背中のトゲや首のタテガミを逆立てて体を大きく見せます。さらに尾の短いトゲを震わせると、「ガラガラ」という音が鳴り、敵への警告になります。
それでも相手が近づいてくると、後ろ向きに勢いよく突進し、トゲで身を守ります。
トゲは毛が変化したもの
ヤマアラシのトゲは骨ではなく、体毛が硬く変化したものです。主成分は、人間の髪や爪と同じケラチンというタンパク質でできています。
生まれたばかりの子どものトゲはやわらかく、成長するにつれて少しずつ硬く鋭くなります。
トゲは敵に刺さったり自然に抜けたりしますが、時間がたつと新しいトゲが生えてきます。
トゲに毒はあるの?
ヤマアラシのトゲには毒はありません。
しかし、鋭いトゲが深く刺さると大きな傷になるため、ライオンやヒョウなどの大型肉食動物でも簡単には近づけません。
また、体には3万本以上のトゲがあるといわれ、防御に非常に優れています。
白と黒のまだら模様
アフリカタテガミヤマアラシの体は、黒と白のまだら模様になっています。
この目立つ模様は、「自分は危険な動物だ」ということを敵に知らせる警戒色の役割があると考えられています。
遠くからでも目立つため、敵が攻撃をやめるきっかけになることがあります。
鼻がよくきく
アフリカタテガミヤマアラシは視力があまり良くありません。
その代わり、臭覚が非常に発達していて、夜でも食べ物や仲間、外敵のにおいをかぎ分けることができます。
夜行性であるヤマアラシにとって、臭覚は生きていくために欠かせない能力です。
