キョン
クジラ偶蹄目 シカ科 ホエジカ属
学名 Muntiacus reevesi
英名 Reeves’s muntjac
- 体長 70~110cm
- 尾長 11cm
- 体重 10~20kg
- 分布 中国南東部、台湾、日本(伊豆半島・房総半島)
- 生息地 森林
- 食べ物 木の葉、若芽、木の枝、果実、種子、樹皮など
キョンは、中国南東部や台湾の森林にくらす小型のシカです。オスだけに生える小さな角や長いキバ、目の下の臭腺など、ほかのシカにはあまり見られない特徴を持っています。
目の下の臭腺がもう一つの目のように見えることから、「ヨツメジカ(四つ目鹿)」という別名でも知られています。
日本では伊豆半島や房総半島で野生化し、生息数が増えたため、特定外来生物に指定されています。
キョンの分布

キョンは、中国南東部や台湾に分布しています。
【生息地】森林
草木が生い茂る森林を好み、やぶや林の中で生活しています。
日本では伊豆半島や房総半島にも定着しています。
キョンの特徴

体の大きさ
キョンは、体長70~110cm、体重10~20kgほどの小型のシカです。
ニホンジカよりひと回り以上小さく、大型犬ほどの大きさしかありません。
小さな角

オスには長さ10~15cmほどの小さな角があります。
角は毎年生え変わりますが、ほかの多くのシカのように枝分かれしません。繁殖期には角を使ってオス同士が争います。
なお、シカ科でメスにも角があるのはトナカイだけです。
長いキバ
キョンのオスには、上あごから長い犬歯(キバ)が伸びています。
このキバは、オス同士の争いで相手を威嚇するときに使われます。
赤茶色の毛
全身は赤茶色の毛でおおわれ、頭のてっぺんには黒っぽい毛が生えています。
森林の景色に溶け込みやすい体の色は、外敵から身を守るのに役立っています。
目の下の臭腺
目の下には「臭腺(しゅうせん)」があり、分泌物を木や草にこすりつけて縄張りを示します。
この臭腺が目のように見えることから、「ヨツメジカ」と呼ばれるようになりました。
シカ科とウシ科の角の違い

シカ科の角は骨でできていて、多くの種類では毎年生え変わります。
一方、ウシ科の角は一度生えると生え変わらず、枝分かれしないことが大きな違いです。
キョンの生態
何を食べるの?

キョンは草食性で、木の葉や若芽、木の枝、果実、種子、樹皮などを食べています。
季節によって食べるものを変え、食べ物が少ない時期には樹皮も利用します。
日本では畑に入り込み、野菜や果樹の新芽を食べることがあり、農作物への被害が問題になっています。
森林でくらす

キョンは、草木が生い茂る森林で単独生活をすることが多いシカです。昼間に活動しますが、人の少ない時間帯や夜間に姿を見せることもあります。
縄張りを持ち、目の下の臭腺や尿で木や草にニオイをつけて、自分の存在をほかのキョンに知らせています。
また、危険を感じると「キャン!」や「ワン!」という犬のような鳴き声を出します。この鳴き声から、英語では「バーキングディア(ほえるシカ)」とも呼ばれています。
赤ちゃんが生まれる
キョンは一年中繁殖することができ、シカの仲間では繁殖力の高い動物です。
妊娠期間は約7か月で、通常は1頭の赤ちゃんを出産します。
子どもはしばらく草むらに身を隠して過ごし、成長すると母親と行動しながら生きるための技術を学びます。
キョンの天敵
中国や台湾では、ヒョウやオオカミ、大型のヘビなどが天敵です。
一方、日本では大型の肉食動物がほとんどいないため、野生では天敵が少なく、生息数が増える原因の一つになっています。
キョンの寿命
野生での寿命は約10~12年です。飼育下では15年ほど生きる個体もいます。
繁殖力が高く環境への適応力もあるため、日本では生息域を広げ続けています。