シロフクロウ

フクロウ目 フクロウ科 シロフクロウ属
絶滅危惧種
学名 Bubo scandiacus
英名 Snowy Owl
- 全長 52~71cm
- 体重 1.6~3kg
- 翼開長 140~165cm
- 分布 北極圏
- 生息地 ツンドラ、草原、湿地、岩場
- 食べ物 小型哺乳類、鳥類
雪の世界に暮らす白いフクロウ
シロフクロウは北極圏に生息する大型のフクロウです。全身が白い美しい姿から「北極の賢者」や「雪の王者」とも呼ばれています。映画『ハリー・ポッター』に登場するフクロウ「ヘドウィグ」のモデルとしても有名です。
シロフクロウの分布

シロフクロウは、北極圏に分布しています。
【生息地】ツンドラ、草原、湿地、岩場
冬になると越冬するために日本(北海道、本州北部)に南下するものもいます。
シロフクロウの特徴

体の大きさ
シロフクロウは大型のフクロウで、全長は52~71cm、翼を広げると140~165cmにもなります。メスはオスより体が大きく、体重も重くなることが多いです。
北極圏の厳しい寒さに適応するため、全身には厚い羽毛が生えています。
真っ白な羽のひみつ

シロフクロウは、ひなの頃は灰色の羽毛に包まれています。若いオスやメスには黒や茶色のまだら模様がありますが、オスは成長するにつれて全身が白くなります。真っ白な羽は雪景色に溶け込み、敵や獲物に見つかりにくくする保護色の役割があります。
メスはオスより体がやや大きく、黒いまだら模様が多く残るため見分けることができます。
大きな翼
シロフクロウは大型のフクロウで、翼を広げると140~165cmになります。
羽には空気をため込むことができるため、厳しい寒さでも体温を保てます。広い翼のおかげで少ない力でも効率よく飛ぶことができ、広大なツンドラを長時間飛び回ることができます。
音を立てずに飛ぶ
シロフクロウの羽の先には細かいギザギザがあります。このおかげで空気の流れがやわらぎ、ほとんど音を立てずに飛ぶことができます。
静かに獲物へ近づけるため、雪の下を動くレミングなどにも気づかれにくく、狩りの成功率を高めています。
足までふわふわ!
シロフクロウは足の指まで羽毛に覆われている珍しいフクロウです。厚い羽毛は雪や氷の上でも足が冷えないように守っています。
さらに、羽毛は滑り止めの役割もあり、雪の上を歩いたり獲物をしっかりつかんだりするのにも役立っています。
正面を向いた目

フクロウの眼は、人間と同じように正面を向いています。両目で同じものを見ることで、獲物までの距離を正確に測ることができます。
音を聞き分ける耳

フクロウの耳は顔の両側にありますが、左右で耳の高さが違います。
耳の高さが違うことで、耳に届く音の時間差で距離を測ることが出来ます。片方の耳は上を向いて、もう片方の耳は下を向いています。雪の下を動くレミングの小さな音も聞き分けられるといわれています。
小さな口ばし
シロフクロウの口ばしは黒く、羽毛に覆われているため外から見ると小さく見えます。
先端は鋭く曲がっており、レミングや鳥などの肉を引き裂くのに適しています。また、フクロウは汗をかけないため、暑いときは口を開けたり羽を広げたりして体温を調節します。
首は270度回る!
フクロウの首の骨は細くて小さく、骨の数は14個あります。目を動かせない代わりに首を大きく回すことで、左右に270度広い範囲を見渡しています。
シロフクロウの生態
何を食べるの?

シロフクロウは肉食で、特にレミングというネズミの仲間を好んで食べます。鳥や魚を食べることもあります。
レミングの数はシロフクロウの暮らしに大きく影響します。レミングが多い年は十分なエサを確保できますが、少ない年には遠くまで移動して狩りを行うこともあります。
昼に活動するフクロウ
シロフクロウは、フクロウの仲間では珍しく昼間にも活発に活動します。
北極圏の夏は太陽が沈まない「白夜」が続くため、昼でも夜でも狩りを行えるように進化しました。普段は単独で生活し、ツンドラや草原のくぼみに巣を作ります。
北極を旅する
シロフクロウは北極圏で繁殖しますが、冬になるとエサを求めて南へ移動することがあります。
レミングが豊富な年は北極圏で冬を過ごすこともありますが、少ない年にはカナダ南部やシベリア、日本の北海道などまで飛来することがあります。木に止まることは少なく、岩や切り株の上から獲物を探しています。
レミングが多い年は赤ちゃんも多い!
シロフクロウは、一夫一妻です。5月~9月の繁殖期には、北極圏のツンドラ地帯に北上します。
通常1回に5~10個の卵を産みます。レミングの数は繁殖回数や産卵数に影響します。レミングが多い年は、たくさんの卵を産み、レミングが少ない年は繁殖そのものをしないこともあります。
赤ちゃんフクロウ
生まれたばかりの赤ちゃんフクロウは、白いふわふわの産毛に包まれています。生まれてしばらくは親鳥からエサをもらいながら育ち、成長すると自分で狩りを覚えて独り立ちします。
シロフクロウの天敵
卵やヒナはキツネやオオカモメなどに狙われますが、成鳥になると天敵はほとんどいません。
親鳥は翼を大きく広げたり鋭い足で攻撃したりして巣を守ります。しかし近年は、地球温暖化による環境の変化やレミングの減少によって、生息数への影響が心配されています。
シロフクロウを守るために
地球温暖化による北極の環境変化や、主食であるレミングの減少などが心配されています。また、開発によって繁殖地が影響を受ける地域もあります。
北極の豊かな自然環境を守ることは、シロフクロウだけでなく、多くの野生動物を守ることにもつながります。
まとめ
シロフクロウは北極圏に暮らす美しい大型のフクロウです。真っ白な羽や音を立てずに飛ぶ翼、優れた聴覚など、寒い地域で狩りをするための特徴をたくさん持っています。
しかし現在は地球温暖化などによって生息環境が変化し、個体数の減少が心配されています。これからも北極の豊かな自然を守り、この美しい鳥が安心して暮らせる環境を未来へ残していくことが大切です。