【セイウチ|動物図鑑】特徴と生態

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セイウチ

大きな体に、口元から伸びる2本の長い牙。氷の上でのんびり休んでいるように見えるセイウチですが、海の中では海底まで潜り、食べ物を探し回っています。

セイウチが暮らすのは、北極を取り囲む冷たい海です。厚い脂肪に覆われた体は寒さから身を守り、海の中ではひれのような手足を使って泳ぎます。

そして、セイウチといえばやはり大きな牙です。この牙は、ただ敵と戦うためだけのものではありません。海から氷の上へ上がるときや、仲間同士で争うときにも使われています。

セイウチの基本情報

11月24日は『世界セイウチの日』

 ネコ目(食肉目) セイウチ科 セイウチ属
  学名  Odobenus rosmarus
  英名  Walrus

  • 全長  オス270~360cm メス230~300cm
  • 体重  オス1,700kg メス1,250kg
  • 分布  北極圏を中心とする北極海と周辺の海
  • 生息地 海氷・沿岸の浅い海など
  • 食べ物 貝、カニ、エビ、魚
  • 寿命  約40年以上

セイウチの分布

セイウチは北極圏を中心に分布し、北極海とその周辺の海で暮らしています。大きく分けると、北大西洋側に分布する集団と、ベーリング海やチュクチ海など北太平洋側に分布する集団が知られています。

海岸近くの浅い海では、海底にいる貝などを探しながら生活しています。食事を終えたあとは、海氷や陸地に上がって体を休めます。

海氷は休憩するだけでなく、子育てにも利用されます。そのため、セイウチの暮らしは北極の海と海氷の環境に深く結びついています。

【生息地】北極圏の沿岸・浅い海・海氷など

セイウチの特徴

体の大きさ

セイウチはオスのほうが大きくなる動物です。オスは全長270~360cm、体重1,700kgほど、メスは全長230~300cm、体重1,250kgほどになります。

大きな体を支えるため、体には厚い脂肪がついています。この脂肪は冷たい海から体温が逃げるのを防ぐだけでなく、食べ物が少ない時期を乗り越えるためのエネルギーにもなります。

大きなキバ

セイウチには、口元から長く伸びた2本のキバがあります。キバは上あごの犬歯が発達したもので、オスだけでなくメスにも生えています。

オスでは1m近くになることもあり、体の大きさと合わせてセイウチを代表する特徴になっています。流氷に上がるときの支えにしたり、オス同士の争いに使ったりするなど、さまざまな場面で役立ちます。

ヒゲは高性能センサー

セイウチの顔をよく見ると、鼻の周りに短く硬いひげがたくさん生えています。このひげは「感覚毛」と呼ばれ、水中で食べ物を探すときに役立ちます。

海底は暗く、貝などが砂や泥の中に隠れていることもあります。セイウチはひげを使って海底を探り、目だけでは見つけにくい食べ物を探します。

鼻を閉じて泳ぐ

セイウチは海に潜るとき、鼻の穴を閉じることができます。これによって水が鼻の中に入りにくくなり、海の中でも食べ物を探し続けることができます。

セイウチは海底まで潜って貝などを探すため、水中で活動する時間も長くなります。冷たい海で暮らすセイウチにとって、こうした体の仕組みも大切な特徴の一つです。

耳たぶがない!

セイウチには、人間のように外へ飛び出した耳たぶがありません。頭の両側に小さな耳の穴があり、見た目にも独特な顔つきをしています。

海の中を泳ぐときには、体の表面から大きく飛び出した部分が少ないほうが水の抵抗を受けにくくなります。セイウチの耳も、海で暮らす体つきの一部といえるでしょう。

厚い皮ふと脂肪

セイウチの皮膚は厚く、表面は硬くざらざらしています。体の下には厚い脂肪もついているため、冷たい北極の海に入っても体温を保ちやすくなっています。

海の中では前足と後ろ足をひれのように動かして泳ぎ、陸地や氷の上では大きな体を使って移動します。海と陸の両方で生活できる体が、セイウチの暮らしを支えています。

寒いと白く見える?

普段のセイウチは茶色ですが、冷たい海に長時間入ると血管が縮み、体の色が白っぽく見えることがあります。皮ふの中の血管を収縮して血流を減らすことで、体から熱が逃げないようにしています。

また、暑い日には、体の色がピンク色っぽく見えることがあります。皮ふの中の血管を膨張して血流を増やすことで、体から熱が逃げやすいようにしています。

セイウチの生態

何を食べるの?

セイウチは、主に海底にいる貝類を食べます。ほかにもカニやエビ、魚などを食べることがあり、海底で暮らすさまざまな生き物を利用しています。

海底まで潜ると、長いひげで砂や泥の中を探ります。貝を見つけると、強い吸引力で中身を吸い出して食べることもあります。

大きな群れで暮らす

セイウチは大きな群れをつくって暮らします。何百頭もの個体が集まることがあり、ときには何千頭ものセイウチが海岸や海氷の上に集まることもあります。

群れでは、仲間同士で体を寄せ合って休む姿が見られます。食べ物を探すために海へ出る一方、休むときには再び大きな集まりになるなど、海と陸を行き来しながら生活しています。

泳ぎが得意

セイウチは大きな体を持っていますが、海の中では上手に泳ぐことができます。前足と後ろ足をひれのように使い、体を左右に動かしながら進んでいきます。

海底で食べ物を探すため、かなり深くまで潜ることもできます。潜っている間は息を止め、食べ物を探し終えると海面へ戻ってきます。

赤ちゃんが生まれる

オスは繁殖期になるとメスの集まる場所へ移動し、繁殖場所をめぐってほかのオスと争います。大きなキバを使って相手を威嚇したり、力比べをしたりすることもあります。

メスの妊娠期間は約15か月で、通常は1回に1頭の赤ちゃんを産みます。生まれたばかりの赤ちゃんは母親に寄り添い、授乳を受けながら少しずつ体を大きくしていきます。

子どもが育つ

赤ちゃんは母親と一緒に過ごしながら、少しずつ海での生活に慣れていきます。泳ぎ方を覚え、成長すると海へ潜って食べ物を探すこともできるようになります。

セイウチの子どもは、すぐに親と同じような生活ができるわけではありません。母親のそばで過ごす時間を重ねながら体力をつけ、長い時間をかけて大きな体へと成長していきます。

セイウチの天敵

大人のセイウチは非常に大きな体と長い牙を持つため、簡単に襲われる動物ではありません。それでも、ホッキョクグマやシャチなどがセイウチを襲うことがあります。

特に子どもは体が小さく、成獣ほどの力もありません。そのため、母親や群れの近くで過ごすことが身を守ることにつながります。

セイウチの休憩タイム

セイウチは海で食べ物を探したあと、海氷や海岸に上がって体を休めます。大きな体を横たえ、仲間同士でぎゅっと集まって眠る姿は、セイウチならではの光景です。

たくさんのセイウチが同じ場所に集まっていると、一見すると動いていないようにも見えます。しかし、冷たい海で活動した体を休めることも、セイウチにとって大切な時間なのです。

セイウチを守るために

セイウチは海氷を休息や子育ての場所として利用するため、北極の環境変化と深く関わっています。地球温暖化によって海氷が減ると、セイウチが陸地へ集まるなど、これまでとは違った行動をとることがあります。

また、海底で暮らす貝などもセイウチにとって大切な食べ物です。セイウチだけを見るのではなく、食べ物が暮らす海や海氷を含めた北極の環境全体を守ることが大切です。

まとめ

セイウチは、北極の冷たい海で暮らす大きな海獣です。長いキバやたくさんのひげ、厚い脂肪など、厳しい環境で生きるための特徴を持っています。

海底で貝を探し、大きな群れで休み、母親は子どもを長い時間をかけて育てます。氷の上でのんびりしているように見えるセイウチも、海の中では食べ物を探して動き回っています。

大きな体とキバの奥には、北極の海で生きるためのさまざまな工夫が隠されているのです。

 

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