プロングホーン

クジラ偶蹄目 プロングホーン科 プロングホーン属
学名 Antilocapra americana
英名 pronghorn
- 体長 142~175cm
- 尾長 10.5cm
- 体重 35~70kg
- 分布 カナダ南部、アメリカ西部、メキシコ北部
- 生息地 草原、低木林、砂漠
- 食べ物 葉、イネ科の草、枝
プロングホーンは英語で『pronghonn』となり「prong」は「先のとがった」、「horn」は「ツノ」という意味があります。
レイヨウじゃない!
プロングホーンは「アメリカレイヨウ」と呼ばれることがありますが、本当のレイヨウの仲間ではありません。現在ではプロングホーン科という独自のグループに分類されています。
奇跡の復活をとげた動物
かつて北アメリカには約3,500万頭ものプロングホーンが暮らしていました。しかし開拓や狩猟によって約1万3000頭まで減少してしまいます。その後、保護活動によって現在では約45万頭まで回復しました。
プロングホーンの分布

プロングホーンはカナダ南部、アメリカ西部、メキシコ北部に分布しています。
【生息地】草原、低木林、砂漠
世界に1種類だけ!
プロングホーンのなかまは北アメリカ大陸で進化をとげました。現在ではプロングホーンだけが生き残っています。昔はさまざまな種類がいましたが、そのほとんどは絶滅しました。
化石として残っているプロングホーンのなかまを角の形でくらべてみました!


同じプロングホーンのなかまとは思えないほど、色々な角の形がありますね。
プロングホーンの特徴

体の大きさ
プロングホーンはシカほどの大きさですが、体は細く脚が長いのが特徴です。オスの方がメスより少し大きく、広い草原を走るのに適した体つきをしています。
体は軽く筋肉が発達しているため、長い距離を速いスピードで走り続けることができます。
陸上で2番目に速い動物!
プロングホーンは最高時速約90~100kmで走ることができ、陸上ではチーターに次ぐ速さを誇ります。
チーターは短距離が得意ですが、プロングホーンは長い距離を速いスピードで走り続けられる持久力も持っています。そのため、天敵から逃げ切ることができます。
めずらしい角

プロングホーンの角は、世界でもとても珍しいつくりをしています。角は、角質(ケラチン)でできた『さや』が骨芯にかぶさったものです。
角の中にある骨は一生残りますが、外側を覆う角のさやだけは毎年生え変わります。このような角を持つ動物はプロングホーンだけです。
大きな目
プロングホーンは動物の中でも特に視力が優れています。
広い草原では遠くまで見渡すことができ、数km先の動く天敵を見つけることもできます。大きな目は草原で生きるための大切な武器です。
長い脚
細く長い脚は速く走るためだけではありません。
障害物の少ない草原では、大きな歩幅で効率よく移動できます。長距離を移動するときも体への負担が少なく、広い草原を自由に行き来できます。
白いお尻

プロングホーンのお尻は、白いのが特徴です。
敵から逃げる時は、群れ全体が白いお尻を見せて走ります。白いお尻の毛を逆立てて太陽光を反射させることで、遠くにいるなかまにSOSの危険信号を知らせることができます。
4つの胃を持つ
プロングホーンはウシやシカと同じ反すう動物です。
4つの胃を使って草や葉を消化し、一度飲み込んだ食べ物を口へ戻してもう一度かみ直す「反すう」を行います。硬い植物でも効率よく栄養を吸収できます。
プロングホーンの生態
何を食べるの?
プロングホーンは草食動物で、草や木の葉、若芽、小枝などを食べます。
季節によって食べる植物を変え、冬には低木の葉や枝を食べることもあります。乾燥した地域でも植物から水分を取るため、水をあまり飲まなくても生活できます。
群れで暮らす
プロングホーンは数頭から数十頭の群れを作って生活しています。
繁殖期以外はオスだけ、メスと子どもだけの群れになることもあります。冬になると100頭以上の大きな群れになる地域もあります。春になると群れは解散し、夏はオスを中心とした小さな群れを形成します。
大移動をする
季節によってエサを求め、何百kmも移動する群れがあります。
雪が積もる冬は暖かい場所へ移動し、春になると再び草原へ戻ります。北アメリカでは長距離を移動する動物としても知られています。
オス同士の戦い
秋にはオス同士で縄張り争いがあり、勝ったオスはメス15~30頭を集めてハーレムを作り、繁殖場所を支配します。ハーレムを作れなかったオスは、単独で生活します。
赤ちゃんの誕生
妊娠期間は約7~8か月で、春から初夏に1~2頭の赤ちゃんを出産します。
生まれたばかりの赤ちゃんは草むらに身を隠し、お母さんが近くで見守ります。生後2日でウマより速く走れるようになり、生後2週間には群れのなかまといっしょに行動する体力が備わってきます。
天敵
コヨーテやオオカミ、ピューマなどが主な天敵です。
危険を感じると持ち前のスピードを生かして逃げます。広い草原では優れた視力で天敵を早く見つけられることも大きな強みです。
プロングホーンを守るために
19世紀には乱獲や開発によって個体数が大きく減少しました。しかし、狩猟規制や保護活動が進められたことで、現在では個体数は大きく回復しています。
一方で、道路やフェンスによって移動ルートが分断されることや、一部の地域では生息地の減少が課題となっています。これからも広い草原と移動できる環境を守ることが大切です。
まとめ
プロングホーンは世界でも珍しい角や、陸上で2番目の速さを誇る走力を持つ北アメリカを代表する動物です。広い草原で群れを作って暮らし、優れた視力と持久力を生かして天敵から身を守っています。
一度は乱獲などによって数を減らしましたが、多くの人たちの保護活動によって個体数は回復しました。これからも北アメリカの大草原で暮らし続けられるよう、自然環境を守っていくことが大切です。