キリンのなかま
キリンのなかまには、首と足の長いキリンと首と足の短いオカピの2種がいます。
マサイキリン

クジラ偶蹄目 キリン科 キリン属
絶滅危惧種
学名 Giraffa tippelskirchi
英名 Masai giraffe
- 体長 400~530cm
- 体重 オス800〜1,400kg メス700~1,200kg
- 分布 東アフリカ(ケニア~タンザニア)
- 生息地 サバンナ、草原
- 食べ物 木の葉・若葉・小枝・花・果実
- 寿命 25年
キリンの分布

マサイキリンは、東アフリカ(ケニア~タンザニア)に分布しています。
【生息地】サバンナ、草原
マサイキリンの特徴

体の大きさ
マサイキリンは地上で最も背の高い動物の一つです。オスは頭の高さが5.5〜6mほどになることがあります。メスはオスより小さく、約4.5〜5mほどです。
足には2本のひづめがあり、同じ側の前足と後ろ足を同時に動かす「側対歩」という歩き方をします。
長い首
マサイキリンの首は約200cmもあり、高い木の葉を食べるのに役立っています。
首の骨(頚椎)は人と同じ7個ですが、1つ1つの骨がとても長いため、陸上動物で最も長い首を持っています。
さらに、首を動かすときは1番目の胸の骨(胸椎)も一緒に動き、「8番目の首の骨」のような役割をしていると考えられています。
また、オスは繁殖期になると長い首を大きく振り回して戦う「ネッキング」を行い、勝ったオスが繁殖の機会を得ます。
キリンの首はどうして長いの?

現在でも首が長くなった理由について多く議論されていますが、いまだに結論は出ていないようです。
【説1】高い木の葉を食べるために首が伸びた
キリンは首を伸ばすことで、ほかの草食動物には届かない高い木の葉を食べることができます。特にアカシアなどの高い木の葉を利用できるため、食べ物をめぐる競争が少なくなり、生き残りやすくなったと考えられています。
【説2】オス同士のネッキング
繁殖期になると、オスは首を大きく振って相手にぶつける「ネッキング」という戦いを行います。首が長く筋肉が発達したオスほど強い一撃を与えることができ、勝ったオスはメスと交尾するチャンスを得られます。そのため、首の長いオスほど子孫を残しやすくなり、長い首へ進化したという説もあります。
【説3】立ったまま水を飲むため首が伸びた
敵から身を守るため立ったまま水を飲みます。
キリンは長い前足を大きく開いて、首を曲げることで水を上手に飲むことができます。
野生のキリンは、いつ敵が襲ってくるかわからないので、休む時も立ったままです。しかし敵のいない安全な場所では、草の上に座り首を丸めて休みます。
長い舌

舌の長さは約40㎝で、色は青紫色です。長い舌を枝に巻き付けて葉を口へ運び、とげのあるアカシアの葉も上手に食べることができます。また、自分の耳や鼻をなめて汚れを落とすこともできます。
キリンの舌が青紫色なのは、強い日差しから舌を守るためにメラニンが増加しているからです。
星のような模様

マサイキリンの模様は、不規則な星形になっているのが特徴です。草原や木陰に溶け込み、外敵から身を守る保護色の役割もあります。
マサイキリンの模様は子どもの頃から少しずつ変化し、年齢を重ねると濃い色になることがあります。また、1頭ごとに模様が異なるため、人間の指紋のように個体を見分ける目印として研究にも利用されています。
キリンの角
マサイキリンの頭には、左右に1対の角のようなものがあります。これは「オシコーン」と呼ばれ、骨のまわりを皮ふと毛がおおっています。
オスもメスもオシコーンを持っていますが、成長したオスは仲間同士で首をぶつけ合う「ネッキング」を繰り返すため、先端の毛がすり減って骨が見えることがあります。
また、成長したオスでは、おでこや頭の後ろに小さなコブ状の骨が発達することがありますが、大きさには個体差があります。
キリンのオシコーンは、首を振ってぶつけ合う「ネッキング」のときに頭を守る役割があると考えられています。
赤ちゃんキリンの角

産まれたての赤ちゃんの角は、まだやわらかく、左右の角が折りたたまれています。
生後3カ月にもなると角が立ち、立派な角になります。
顔の横に目がある
草食動物のキリンの目は顔の横についてるので、横を向かなくても後ろまで見ることができます。そのため敵が近づいて来てもすぐに気づけます。
またライオンなどの肉食動物は、目は顔の前にあります。獲物をすばやく捕らえるために相手との距離感をとりやすくなっています。
長いまつげ

砂漠の乾燥から目を守ったり、または太陽からの紫外線から目を守るためにまつげが長くなっています。
長いしっぽ

尻尾の長さは75~100cm。
尻尾の先にある黒いふさ毛を使ってハエ(サシバエ)を追っぱらったり、お尻の汚れを落としたりします。
マサイキリンの生態
何を食べるの?

マサイキリンは青紫色をした長い舌を使って、高い木の葉を巻き取るように食べます。特にアカシアの葉や若い枝を好みますが、草や果実、花を食べることもあります。
鼻の臭覚がするどいので、好きな植物はニオイで探していると言われています。
反すう動物

キリンは4つの胃を持つ反すう動物です。一度飲み込んだ食べ物を口へ戻してもう一度かみ直すことで、植物を効率よく消化しています。
体が大きいため、1日の多くを食事に費やし、木の葉を食べる時間は15~18時間にもなります。オスは高い場所の葉を、メスは低い場所の葉を食べることが多く、同じ木でも食べる高さを分けています。
群れで暮らす
マサイキリンは数頭から20頭ほどの群れで生活しています。
群れには決まったリーダーはなく、自由に集まったり離れたりしながら生活しています。水場やエサの豊富な場所では、多くのキリンが集まることもあります。
首をぶつけて戦う

オスは繁殖期になると、首を大きく振り回して相手にぶつける「ネッキング」という戦いを行います。
戦いに勝ったオスはメスと交尾する機会を得ることができます。体の大きなオスほど有利になることが多いですが、激しい戦いでけがをすることもあります。
ネッキングとは、オスのキリンがメスをめぐって首をまじわせながらケンカをすることを言います。
意外と速い

キリンの足の速さは時速55km!!意外と早いですね。
ちなみにウマは時速77km、ライオンは時速64km、アフリカゾウは時速40km!
キリンは高血圧

高い場所にある脳へ血液を送り続けるため、キリンの心臓は非常に強い力で血液を送り出しています。また、頭を下げて水を飲んだり、再び頭を上げたりしても、頭にある「ワンダーネット」が血液の流れを調整し、脳に負担がかからないようにしています。
赤ちゃんが生まれる
繁殖期は特に決まっていません。
妊娠期間は約15か月で、1頭の赤ちゃんを立ったまま出産します。生まれた赤ちゃんは約1.5~2mの高さから地面に落ちますが、すぐに立ち上がり、数時間後には母親と一緒に歩き始めます。
草食動物であるキリンは、ライオンなどの肉食動物から身を守るために生まれてから40分で立ち上がり、すぐに授乳を始めます。子どもの多くはライオンなどに狙われるため、無事に大人まで成長できるのは半数ほどといわれています。
マサイキリンを守るために
現在は国立公園や保護区の整備、密猟の防止、生息地を守る活動など、さまざまな保護活動が進められています。また、野生の個体数を調査し、一頭一頭の模様を写真で記録しながら保護活動を行う研究も続けられています。
しかし、農地の拡大や道路の建設によって生息地は少しずつ減少しており、人との生活圏が重なることで交通事故や農作物被害などの問題も起きています。マサイキリンがこれからも野生で暮らし続けられるよう、生息地を守る取り組みが世界各地で続けられています。
まとめ
世界で最も背の高い動物であるマサイキリンは、長い首や舌だけでなく、高血圧に耐える体の仕組みや、オス同士が首をぶつけ合う「ネッキング」など、多くの不思議な特徴を持っています。
また、体の模様は一頭ずつ異なり、研究や保護活動にも役立てられています。これからもアフリカの大自然でマサイキリンが安心して暮らせるよう、野生動物や自然環境を守ることの大切さについて考えていくことが重要です。