ダイアナモンキー
12月14日は『サルの日』
サル目(霊長目) オナガザル科 オナガザル属
絶滅危惧種
学名 Cercopithecus diana
英名 Diana monkey
- 体長 オス53~62cm メス44~48cm
- 尾長 70~90cm
- 体重 オス3.5~7.5kg メス2.2~3.5kg
- 分布 西アフリカ(コートジボワール、ガーナ、リベリア、シエラレオネなど)
- 生息地 熱帯雨林、原生林
- 食べ物 果実、花、若葉、種子、樹脂、昆虫
ダイアナモンキーは、西アフリカの熱帯雨林に生息するオナガザルのなかまです。
黒い顔に白いひげのような毛、おでこにある三日月形の白い模様が特徴で、その美しい姿から「世界一美しいサル」とも呼ばれています。
名前の「ダイアナ」は、額にある白い模様が三日月のように見えることから、ローマ神話に登場する月の女神「ダイアナ」にちなんで名付けられました。
長い尾を使って木の上を軽やかに移動し、一生のほとんどを樹上で過ごします。しかし近年は森林伐採や狩猟の影響で個体数が減少し、絶滅が心配されているサルの一種です。
分布

ダイアナモンキーは、西アフリカのコートジボワール、ガーナ、リベリア、シエラレオネなどに分布しています。
【生息地】熱帯雨林、原生林
熱帯雨林の中でも、樹木がよく育った成熟した森林を好みます。
生活のほとんどを木の上で送り、地上へ降りることはほとんどありません。
森林がつながっていることが生活には欠かせませんが、近年は農地開発や森林伐採によって生息地が細かく分断され、群れ同士の行き来が難しくなっています。
ダイアナモンキーの特徴
体の大きさ

ダイアナモンキーは中型のサルです。
オスは体長53~62cm、体重3.5~7.5kg、メスは体長44~48cm、体重2.2~3.5kgほどで、オスの方がひと回り大きくなります。
尾は70~90cmにも達し、体より長く伸びています。この長い尾は枝から枝へ移動するときに体のバランスを保つ役割をしています。
世界一美しいサルと呼ばれる理由

ダイアナモンキーの最大の特徴は、美しい毛色です。顔は黒く、おでこには三日月形の白い模様があります。
さらに、のどから胸にかけては白い毛で覆われ、頬には白いひげのような毛が生えています。背中は灰色から暗い灰色、腰やお尻は赤褐色を帯び、長い尾は黒色です。
これらの色が組み合わさることで、とても美しい姿となり、「世界で最も美しいサル」と呼ばれる理由になっています。
下向きの鼻
ダイアナモンキーは狭鼻猿類(きょうびえんるい)の仲間です。鼻の穴は左右の間隔が狭く、下向きについています。
これはオナガザルやヒヒ、ヒトなどにも共通する特徴です。
枝をしっかりつかむ平たい爪
ダイアナモンキーの指先には、人間と同じような平たい爪があります。
さらに親指が他の指と向かい合うため、枝をしっかり握ったり、小さな果実や昆虫を器用につまんだりできます。
この手のつくりによって、木の枝をしっかり握れるため、高い木の上でも素早く安全に移動できます。
ダイアナモンキーの生態
高い木の上でくらすサル

ダイアナモンキーは昼行性で、朝から夕方まで活動します。
地上15~20mほどの樹冠付近で生活し、食べ物を探したり、仲間と移動したりしながら一日を過ごします。
夜は木の枝の上で休みますが、チンパンジーのような巣は作りません。
群れはオス1頭と複数のメス、その子どもたちで構成され、5~50頭ほどになります。

また、キャンベルモンキーやコロブスなど他のサルと混群を作ることもあります。多くの目で周囲を警戒できるため、天敵を早く見つけられるという利点があります。
メスは生まれた群れに残りますが、オスは成長すると群れを離れ、新しい群れへ移ります。
何を食べるの?

ダイアナモンキーは雑食性です。
果実を中心に、花、若葉、種子、樹脂など植物質の食べ物を多く食べます。
一方で、昆虫やクモなどの小さな動物も食べ、季節によって食べ物を上手に変えながら生活しています。
樹上で熟した果実を探すことが多く、鋭い視力を使って食べ頃の実を見つけています。
赤ちゃんが生まれる

妊娠期間は約5~6か月です。通常は1頭の赤ちゃんを出産し、母親が大切に育てます。
生後数か月は母親のお腹や背中につかまりながら移動し、少しずつ木登りや食べ物の探し方を覚えていきます。
群れの仲間も子育てを見守りながら生活しており、安心して成長できる環境が整っています。
ダイアナモンキーの天敵

ダイアナモンキーの天敵には、ヒョウやニシキヘビ、大型のワシなどがいます。
樹上で生活していても安全ではなく、常に周囲を警戒しています。危険を見つけると大きな鳴き声で仲間へ知らせます
ヒョウには低く短い警戒音、ワシには高く鋭い警戒音を出すなど、天敵の種類によって鳴き声を使い分けることが知られています。この鳴き声を聞いた仲間は、相手に応じた逃げ方を選びます。
この優れた警戒能力は、熱帯雨林で生き抜くための大切な能力です。
ダイアナモンキーの寿命
野生での寿命は約20年、動物園などの飼育下では約30~35年生きることがあります。
十分な栄養や治療を受けられるため、飼育下の方が長生きする傾向があります。
ダイアナモンキーを守るために
ダイアナモンキーは森林伐採や農地開発によって生息地が減少しているほか、食用やペット目的の狩猟も個体数減少の大きな原因となっています。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧種(Endangered:EN)に指定されております。近年も個体数は減少傾向にあり、保護活動が続けられています。
各国では森林保護区の整備や密猟対策が進められていますが、ダイアナモンキーを守るためには、熱帯雨林そのものを保全することが何より重要です。
まとめ
ダイアナモンキーは、西アフリカの熱帯雨林に暮らす、とても美しいオナガザルの仲間です。
三日月形のおでこの模様や白いひげ、鮮やかな体毛は他のサルにはない魅力があります。また、高い木の上で生活し、仲間と協力しながら天敵から身を守るなど、熱帯雨林に適応したさまざまな能力も備えています。
しかし現在は森林伐採や狩猟によって個体数が減少し、絶滅の危機に直面しています。
動物園でダイアナモンキーを見かけたら、美しい毛並みや額の三日月模様、長い尾などに注目してみましょう。そして、その魅力だけでなく、野生で暮らす環境を守ることの大切さについても考えてみてください。
私たちが熱帯雨林を守ることは、ダイアナモンキーをはじめ、多くの野生動物の未来を守ることにもつながります。